みなさまこんにちは。本部ブログ課スタッフのコグマです。
すっかり空も秋めいて鱗雲が見られるようになってまいりましたね。
9月15日(日)大阪上本町にある高津ガーデンにて北辰会エキスパートコースが開催されました。午前中は「応用実技」午後は「油風(円形脱毛症)の一症例」という内容でした。
それぞれピックアップしてご紹介いたします☆
目次
段階に合わせた応用実技が受けられます☆
ベテラン班、上級班、中級班、スタンダードコース班、女性班、聴講(学生)班に分かれて、経験に応じた体表観察の実技が受けられます。
実技模様をご紹介します。
ベテラン班:高木先生
上級班:原先生
スタンダードコース班:小下先生
なななんと!!関東支部長の尾崎先生も!!
素敵なスマイルありがとうございます(^o^)/
~押し手一つで臨床が変わる~
今回は上級班をピックアップしたいと思います!!
上級班ではベテランの先生方が臨床レベルでの総合判断を検討していくことに加えて、押し手もテーマの一つでした。
皆さんは、普段押手の意識はされていますか?
どうやら最初の頃は、鍼を持つ刺手に意識が集中してしまって、あまり押手に意識がいかないことが多いようです(o゚ェ゚))ゥンゥン
実は、このことは有名な古典である難経にも記載があります。
◎七十八難曰.鍼有補瀉.何謂也.
然.補瀉之法.非必呼吸出内鍼也.
知爲鍼者.信其左.
不知爲鍼者.信其右.
當刺之時.必先以左手.厭按所鍼滎兪之處.彈而努之.爪而下之.
書き下し文
七十八難に曰く、鍼に補瀉ありとは何の謂いぞや?
然り、補瀉の法は、必ずしも呼吸出内の針に非ざるなり.
然り、針を為すことを知る者は其の左を信じ、
針を為すことを知らざる者は其の右を信ずるなり.
当に之を刺す時は、先づ左手を以て針する所の榮兪の処を厭按し、弾じて之を努し爪して之に下す.
とありますように難経にも押手の重要性が記されています〆(._.)メモメモ
このような認識を踏まえた上で、北辰会の上級班では、講師の先生から衛気をとらえながら押手の左右圧上下圧等細かく指導してもらえますヾ(〃^∇^)ノ♪
他の班では臨床がテーマ、体表観察がテーマ等など、各班で様々な実技が行われました。
コグマの場合、臨床での疑問や苦手な体表観察等、自分の中で質問したい・受講したいテーマを決めて応用実技でぶつけまくります(笑)
講師の先生はいつも詳細かつ丁寧に答えてくださるのでとても理解が深まりますよ(*’ω’*)
「油風(円形脱毛症)の症例レポート」
演者:竹山悠樹先生
解説:藤本新風代表、奥村裕一学術部長
20歳男性、主訴は円形脱毛症。
小児期より主訴発症し、約一年前より主訴増悪。
初診時はつむじ(左後頭部)の右側に500円玉大、百会左付近に楕円形のものが2つありつながっているもの、右側頭部には小さい物が数個ある状況でした。
主訴増悪緩解因子における問診
北辰会は初診問診に時間をかけます。
主訴についての問診…増悪緩解因子についての細かな情報、今までの生活環境や家庭環境、体質についてなどなど細かく問診します。
特に「増悪緩解因子の中でもどれが一番トップなのか…。」を聞いておくことが大切です⭐︎
例えば今回の症例の増悪因子の中に「春」「秋~冬」に増悪とありました。
これについてどちらの季節のほうが影響が大きいのか…。
確認すると、春のほうが明らかに増悪するのであれば、肝気がメインである可能性が高くなりますし、秋~冬に増悪するのであれば肺気や腎の問題がかかわる可能性が高くなります。
季節における七情の可能性も考えられますね。
春は環境が変わる時期でもあるし、冬は年末の過ごし方を押さえておくのも重要ではないでしょうか。
このように問診では優先順位の確認、相手の生活環境を想像しながら意図的に問診して病因を明確にしていくことが大切です☆
問診中の患者さんに注目すべし
奥村先生が「問診中の患者さんの様子を診るのもポイントで悲壮感・イライラ等の様子はあるのかどうか…こちらから意図的に観察して問診していくことが重要。
特に七情不和は五臓のすべてに影響するので、どの臓腑がメインなのか根拠を探していくこと。」
と仰っていました。
これを聞いて意図的で正確な問診を心掛けることにより精度が高いカルテになり患者さんの治療につながるのだなと感じました。
早く治す為にもより精度の高い問診が不可欠ですね(^-^)
質疑応答の際は、多くの先生方が積極的に挙手されていました。
このように積極的に参加できるのも症例レポート解説の魅力の一つです♫
更に会場から挙がった質問の意図についても、解説の藤本新風先生や奥村先生が詳しく解説してくださり、多くの学び得られる絶好の機会でした♫
カルテの情報を残す重要さ
再診での問診や体表観察情報だけでなく、
顔面・舌腹・舌背の写真、加えて外科の場合、患部の写真等の情報を残しておくと治療経過のフィードバックができます♫
外科学の場合患部を診ることが大事で、毛髪の状況、質、皮膚の状態毛根の感じなど術者の視点とともに写真を残すことが大切です。
特にコグマのような初学者が講師の先生に質問する際には重要な物差しとなる根拠をたくさん残しておくと、より一層的確なアドバイスがもらいやすいです☆
体表観察情報とともに更に画像を残す重要さを学びました(^∀^)
いかがでしたか?実技、症例解説ととても充実した一日でした。
まだ参加されたことのない方も是非一度定例会へお越しくださいね~(*^-^*)
以上コグマでした(*’ω’*)