こんにちは!
12月14日(日)、東京・大森にある東京衛生学園専門学校において関東部会 年末代表講演が開催されました!

目次
今回のテーマは「病のメカニズムと鍼灸臨床」です。

◆10:00~11:30 病因病機学の歴史的変遷

午前は、尾崎真哉副代表による「病因病機学の歴史的変遷」です。
病の変化に応じて臨機応変に治療を行うために、北辰会では病因病理を重要視しています。
尾崎先生の講義では、北辰会の病因病理学の特徴や歴史的な変遷を膨大な参考資料をもとに講義が行われました。
◆13:00~14:30 鍼灸臨床と論理的思考

午後の初めは、竹下有学術副部長による「鍼灸臨床と論理的思考」です。
「北辰会方式の鍼灸弁証論治」を行う上で欠かせない「論理的思考」について講義が行われました。
鍼灸臨床における論理的思考は、形式論理学と弁証法論理学の両方が必要です。
「形式論理学」とは、正しい推理の形式を研究する「科学」のことと定義されています。
「弁証法論理学」は、対象の運動変化を具体的に理解する、柔軟な思考法です。形式論理学が基礎になります。
藤本蓮風先生も「東洋医学は数学だ」とよく仰っていました。
東洋医学は何となく感覚で治療をするものではなく、東洋医学の理論で定義された様々な法則を駆使することで、あらゆる病に対応することができる医学です。
かりやすい例をいくつか挙げながら、形式論理学を分かりやすく学べ、また太極陰陽論から弁証法論理の理解を深められる内容でした。
◆14:45~13:45 鍼灸臨床にみる病の因縁果-病因病理図構築の実際-

続いて、藤本新風代表による「鍼灸臨床にみる病の因縁果-病因病理図構築の実際-」です!
新風代表の講義では、教科書が示す基本的な病因病機学ではなく、個々の患者さんの三因制宜を踏まえた問診について解説されました。
ただ問診・体表観察情報を集めるのではなく、その問診情報・体表観察情報から何がいえるのか?
新風代表が目の前の患者さんに対して、どれだけ想像して興味を持って臨床を行なっているのかが伝わってくる講義内容でした。
◆16:00~16:45 藤本新風代表実技披露

最後は、藤本新風代表の実技披露です!
今回の患者さんの主訴はアトピー性皮膚炎(中医学では異位性皮膚炎)であり、今回の症例では、長期にわたって使用したステロイドの副作用によって視力にも問題が生じた症例でした。因みにステロイドは中医学では「純陽」といわれております。(『中医臨床』通巻97号参照)
直前に講義された弁証問診の内容を聞いた後に、目の前で新風代表の問診を聞くことができ、臨床でどのように実践したらよいのかをイメージしやすかったと思います。
問診で治療に必要な情報が得られたら体表観察を行い、滑肉門へ刺鍼。

アトピー性皮膚炎のように、鍼をして瞬時に皮膚の状態を変化させることが難しい症状もあります。
体表観察所見の改善が確認でき、治療を継続していくことで確実に皮膚の状態にも変化が感じられるようになります。
モデル患者としてご参加いただいた方より、問診から実技に至るまでのご感想をお寄せいただきました↓↓
【代表公演を終えて】
モデル患者として参加させていただき、貴重な体験となりました。
問診時の包容力のある語り口に安心感を覚え、刺鍼においては全く痛みを感じることなく、直後から体の熱が抜け気が下って行くのを感じました。
3分間という短い置鍼時間でありながら、重心が落ちて身体が軽快になる変化に驚かされました。
1本の鍼が持つ力の大きさを肌で感じ、将来このような治療を目指したいという志を新たにする機会となりました。
◆17:00~ 懇親会

講演後は、恒例の懇親会で会員内外の先生方が楽しく親交を深める時間です!
代表講演の時間内では、質問しきれなかったことも懇親会で思う存分質問することができます!

