日々生活の中で、風邪をひいたり、熱中症になったりと、外邪は身近な存在です。
最近の急激な気温変化…様々に変化する自然環境の中で過ごす私達は、外邪の影響を受けやすい状態と言えます。
特に小児や高齢者などは外邪の影響力が大きく、様々な症状が引き起こされます。
私にも小さい息子がいますが、そんな時こそ、六淫のメカニズムを理解していれば、対応できます!!
2017年7月2日の北辰会スタンダードコースでは、竹下有先生による六淫の外邪と内生五邪の講義が行われました!
その講義内容である六淫外邪の話を紐解いてみましょう。
目次
そもそも六淫とは?
六淫の外邪とは、外感病の発病因子のことであり、
具体的には、風・寒・暑・湿・燥・火(熱)の6つの邪気を指します。
個別にみて参りましょう。
風邪とは?
「よく巡りてしばしば変ず」といわれます。
これは風邪が陽邪であり、動きが早く、変化しやすい特性を持つからですね!
そして、上焦(顔、頭)を襲いやすく頭痛、頭暈が起こります。
開泄性があり自汗や悪風を惹きおこします。
また、五体でも皮肉肌毛に影響しやすく、肺気に影響する為、鼻閉や鼻汁、咳嗽といった症状が出やすい。
風邪は百病之長と呼ばれるくらい、他邪を兼挟しやすく風寒、風湿、風温とレパートリーが多い。
更に、風は春の主気で肝の臓と関与している為、肝気偏盛を惹起しやすい。
熱邪・火邪・暑邪とは?
特性としては炎上性、陽邪であり傷津耗気。
熱は火の兆し、火は熱の極みという違いがあります。
火邪と暑邪の違いは、中国においては夏の前半は火邪、後半は暑邪という違いがあり、
暑邪というのは湿を伴っているという点が、特徴です。
症状としては高熱、悪熱、多汗、目赤、眼痛、口内炎、頭痛、眩暈などが。
暑邪が心神を上擾すると焦躁、不眠、狂躁、意識障害を起こします。
津液の損耗では口渇、多飲、尿黄、喜冷飲、便秘。
気の損耗では息切れ、無力感、人事不省などが起こります。
湿邪とは?
特徴は、重濁性、粘滞性であり、下焦を襲いやすい。
主な症状は、煩悶感、頭重感、倦怠感、悪心、嘔吐、腹満、下痢、残尿感、残便感、水腫、四肢倦怠、痺れなど。
関節を傷ると疼痛、運動障害、水腫などが。
下焦を傷ると帯下、淋濁などの症状が惹き起こされます。
燥邪とは?
陽邪であり、傷津耗液しやすい。
主な症状は、口渇、咽乾、咳痰、尿黄、尿少、便秘、口唇・鼻腔・皮膚・毛髪の乾燥など。
熱邪を兼ねると燥証がより顕著になるが、寒邪を兼ねた場合は相対的に軽くなるという特徴があります。
寒邪とは?
特徴は収引性、凝滞性、束表性で、陽気を破る。
主な症状は、悪寒、発熱、腹痛、下痢、四肢厥冷、筋痙攣、鳥肌、無汗、頭痛、身体痛、関節痛など。
肝経を傷ると睾丸痛、陰部痛などの症状が。
腎陽を傷ると水腫、尿量減少、腰痛、四肢の冷えなどの症状が惹きおこされます。
まとめ
邪気の性質により、様々な症状が引き起こされることがわかります。
これを知ることにより、様々な症状を外邪で分けることができるのですね!!
外感病の治療には欠かすことのできない知識ですので、しっかりと頭に入れて、臨床に取り組んで行きたいと思います!
以上、ブログ課・こぐまちゃんがお送り致しました(*´꒳`*)
講師プロフィール
竹下有先生
北辰会・正講師
伝統鍼灸 清明院・院長