みなさんこんにちは(^-^)/
大寒を迎え、本格的に寒くなってきた1月19日(日)、大阪府社会福祉会館にてエキスパートコースが開催されました!
厳しい寒さにも負けず、今回もたくさんの先生方が参加され、会場は大いに盛り上がっておりました!!
目次
SLE(全身性エリテマトーデス)の症例
症例報告をして下さったのは各務祐貴先生です(^-^)/
SLE(全身性エリテマトーデス)は指定難病の一つであり、西洋医学では原因不明の自己免疫疾患とされています。
主症状は発熱、関節痛、全身倦怠感、蝶形紅斑、レイノー症状などであり、他にも全身に多種多様な症状が現れるのが特徴です。
今回、特に全身倦怠感が強かった男子小学生に対して、良好な変化が見られた症例を患者さんとの関わり合いを交えながら発表していただきました٩( ‘ω’ )و
治療を継続してもらうための工夫
SLE含め、難病と言われる疾患の多くは増悪寛解を繰り返し、慢性の経過を辿る場合が多いです。そのため症状に波があったとしても、しっかり治療を継続してもらうための信頼関係を構築できなければ治療はうまくいきません。
患者家族との関わり合い
患者さんの年齢が低い場合、特にその家族との信頼関係も治療を行う上で重要な要素となります。今回の場合、なかなか症状のコントロールが上手くいかず、母親の心が不安定になっていたため、そこに対する心のケアも同時に行っていた各務先生がとても印象的でした٩( ‘ω’ )و
西洋医学的治療をしっかり弁える
東洋医学的な指標で患者さんを診ていく訳ですが、西洋医学では今どのような治療を受けているのか?ここもしっかり弁えておく必要があります。今回の場合、免疫抑制剤を使用しているため、感染症に対するリスクヘッジが必要不可欠となります。もし風邪などを引いた場合、重症化しやすく予後も悪いとされています。実際各務先生も「外感病の判断が難しかった」とおっしゃっていました。
会場質問
会場からもたくさんの質問が挙がり、各務先生がどのように患者さん及びその家族と関わり合いながら、良好な変化をもたらしていったかについて、様々な意見交換がなされていました(^_^)
東洋医学的見解(奥村先生解説)
最後に奥村裕一学術部長からSLE患者に関する東洋医学的見解を解説して頂きました!
①多くは先天稟賦不足が根本にあり、治療としては、標本緩急を弁別し、発作期には袪邪して救急、寛解期には扶正を主としながらも袪邪にも注意を払う。
②風湿熱毒が常々虚に乗じて侵入し、様々な症状を引き起こすため、外感の影響を受けた際は、傷寒病なのか温病なのか?体表観察はもちろん、弁証の精度を高めるための意図的な問診力が、その都度要求される。
③ステロイド剤など薬物による副作用の結果から陰虚火旺の病理変化を示すことが多いため、西洋医学的な治療にも常に目を向けておくことも重要となる。
④現代中医学の参考書などを活用して発作期と緩解期における各段階における弁証論治ついての説明があった。
⑤本症例における季肋部を中心とした打鍼術は、半表半裏すなわち傷寒論における少陽・温疫論における膜原に相通じることが臨床的効果から垣間見れるものであった。
いざこのような難病の患者さんが来院された際、冷静に対応できるよう、これらの特徴を事前に理解しておくことの重要性を実感できました٩( ‘ω’ )و
実技研鑽
午前中は恒例の実技研鑽が行われました。
毎回講師陣も入れ替わるため、さまざまな先生から指導を受けることが出来ます。
皆日々の臨床の疑問点や体表観察の触り方などを真剣に聞いていました!
腹診の見方(曽我先生)
足の原穴の左右差について(森田先生)
背候診の見方(祖父江先生)
全身の体表情報を合わせてどう弁証するか(油谷先生)
臨床での疑問点に回答(山本先生)
直接日々の臨床に繋がる体表観察能力を高めるためには、指導してもらい自分の癖を治していくことが大切です。定例会に来られたことのない方も聴講生班という1から教えてくれるグループもあります。
是非御参加ください!
以上石川&橋本がお伝えしました!