第38回日本伝統鍼灸学会に参加して part③

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part②からのつづき

 

その後の閉会式は出られませんでしたが、バラエティーに富んだ興味深い話が多くありました。

 

後は、個人的に印象的だったのは、「チベット医学からみた日本の漢方と鍼灸」と題しまして小川康先生が、チベットで生活をしてお話が大変上手で、役者さながらのストーリーテリングで現地での学生生活を画像で紹介され非常に解りやすかったとともにシリアスにまたコミカルにお話しされ大変引き込まれる講義でした。

 

特にチベットの医学経典 四部経典を卒業試験として学生全員が数時間かって暗唱し、それを一般の人が見ている中で行うシーンや、命がけで山に入り薬草採集する場面、その薬草の保存の為の乾燥をするシーンなど大変興味深く拝聴させていただき、生での治部と医学生の生活が垣間見れ、非常に勉強になりました。

本当にある意味で昔のまま、伝統が残っているという状況がありありとしてみえ、文明を受け入れながらも仏教国として素朴に生活している医師や人々のシーンが映像に描き出されて

なんだか現代日本に生きる文明を使った日々を考えさせられるような講演でした。

 

といっても今のところは現代日本社会で生きる人生を選択しているので、この選択以外ないわけですが、、、(^-^;ただ、他の講演を見るために後半部分は退席してしまいました。残念でした。)

 

後は一般発表では、四国医療専門学校の松木宣嘉先生の発表が打鍼に関するものがありました。

こちらの先生は北辰会関東支部副学術部長の竹下有先生の清明院の副院長をされていた先生で北辰会とも縁故のある先生です。

 

ここ数年、無分流を中心として「離れ」という腹証についての発表が続いております。

多く江戸時代の腹診書にみられるため、当時は広く使用されていた概念のようで『杉山真伝流中の巻』  杉山流の後期に書かれた秘伝書で杉浦和田一により纏められ近年まで表に出ることはなかった杉山流の秘伝書、近年杉山流の研究で有名な大浦慈観先生(いやしの道、現東洋鍼灸専門学校 校長)による現代語化された解説書があります。

 

打鍼に関しての新文献発『針治集要』についての初歩的研究内容の詳細、夢分流でも無しの文字を使用する無分流の流派で『意中玄奥』の森中虚の流れの打鍼術についての発表と、「離れ」の腹症の記載についての発表でした。

 

座長の学術部長奥村先生は、江戸時代の古流派に腹部に易の太極や先天後天や八卦を腹診に反映させる診断法の存在にまず触れられて、「離」の意味合いを易経の離火の意味として解釈するのか伺われておりました。

今回の事については

「詳細は、後に『鍼灸OSAKA』の長野仁先生の論文に掲載されるのでそちらで・・」という返答でした。

 

離れというのは、逆証の際に、腹筋と腹皮の間に間隙が出来て、緩んでしまう腹症を指し、それに対する文献研究や臨床応用の内容が過去の発表で数例ありました。

離れにもさまざまなパターンがあり側腹筋が切れたように感じる離れがありどうもそれを起こさしめる病理により虚性のもの実性のもの様々あるようで、それらのレベルも色々とあるとの話を発表者の松木先生から発表後伺いました。それらの事が集大成されていずれ論文化して発表される事と思われます。

 

形井秀一先生、長野仁先生と寄金丈嗣氏のセッションは学生には大変刺激的で面白かったのではないかと思います。

 

寄金氏の発言も「鍼灸業界に対して常にニュートラルでいたい、すべては相対論的に考える立場表明」をし、色々な問題点も提示されていましたが、というのも業界への愛ゆえ、というのがひしひしと伝わってきましたね。

 

 

もう長くなりきりがないのでこのあたりで、レポートを終了したいと思います。

 

が、他にも本当に興味深い発表がたくさんありました。有明医療大学川嶋朗先生の医療社会学的視点からの今後の鍼灸へのご講演、(蓮風の玉手箱で対談があります。こちらも要チェックです!!http://archive.md/4SzMJ

松田博公先生、平地治美先生の話など業界の一線で研究をリードされておられる先生方の話などもあり、大変勉強になる有益な情報を得ることが出来きます。

 

 

あとは、抄録にはない色々な楽しいハプニングなどもあるので、なるべく生ライブで参加してみるべきだと思います。

 

北辰会の会員さん宛ですが、毎度のことですが、当会と他の日本の伝統鍼灸の方法論の違いがはっきりとし、北辰会の立ち位置が再認識できる、業界の現状がよく理解できます。もちろん有益な情報も多く得られ、参加する価値は当然ながら十二分にあるという事を強調して終わりたいと思います。

 

来年2020年はなんと「沖縄大会」です。

北辰会会員も今や沖縄にも2名をおられ活躍中です!

11月は観光シーズンが外れて「飛行機代も安い!!」という事ですから、お誘いあわせの上、是非沖縄で!!!

 

ちなみに、蓮風会長はジェットスキーを予定しているようです!!!

 

「めんそーれ〜、ちゅらはりきゅう!」

 

Author:(一社)北辰会関東支部  尾崎真哉

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