2019年4月7日、日本東洋医学会奈良県教育講演会では、
北辰会に所属されている、タケモトクリニック院長・竹本喜典先生が「鍼灸配穴を決めるまでの過程∼症例を通して」という内容でご講演されました。
ご講演では、異臭症の症例を取り上げられ、
少陽陽明の実熱の患者さんに、初めは合谷と大柴胡湯の処方を行われ、少陽の部分が先に改善した後に、
陽明経の湿熱が残ってきたので、上巨虚と防風通聖散で加療を行い良好な結果を得られた症例でした。
また、過敏腸の症例では、肝旺犯脾(肝欝化火上逆>脾虚)の泄瀉と診断され、百会がよく効いた症例を取り上げておられました。
また、上からと下から実熱を捌く場合には、百会と上巨虚の熱の反応に注目してみるということもお話されていました。
いずれの症例でも、漢方処方に際して、北辰会方式の体表観察が非常に役立ったということをお話されていました。
また、釣りの面白さと、鍼灸との共通点を、古典と釣り吉三平を通じてお話され、仕事も趣味も真面目に取り組んでおられる竹本先生のお人柄を感じられるご講演でした。
参加された先生方からも好評で、竹本先生ご自身も、昔一緒に働いておられた先生と再会できたりと、充実された1日となったようです。