第30回日本病院総合診療医学会学術大会に参加して

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2025年2月22~24日、広島国際会議場にて開催された、第30回 日本病院総合診療医学会に参加してきました!

会場である国際会議場のすぐ隣は、リニューアルされて非常に綺麗になった、広島平和記念資料館です。

 

今回の大会テーマは共に進もう 総診はひとつ」ということで、第20回若手医師のための家庭医療学冬期セミナーも同時開催ということで、若い先生方が多く、非常に活気のある学会でした。

 

大会長は広島大学病院 総合内科・総合診療科の伊藤公訓医師であり、HPの会長挨拶にもある通り、日本プライマリ・ケア連合学会主催する冬季セミナーとの併催で行われることで、今後ますます日本の総合診療の業界が一枚岩となり、今よりもさらに国民の健康に寄与する流れを作りたいという意志を感じました。

 

そして、広島大学病院といえば、鍼灸界でも非常に有名な小川恵子医師率いる漢方診療センターを有し、そこでは数名の鍼灸師が実際に患者さんに鍼灸治療を行っていることでも知られています。

 

今回は鍼灸関連の発表やワークショップもあり、総合診療の学会で、徐々に鍼灸の認知度が広がり始めていることも感じることが出来ました。

 

私が参加したのは23日(日)と24日(月)の二日間でしたが、今回は鍼灸関連の発表に絞ってお伝えします。

 

23日の午後に行われた指定講演、パネルディスカッション12「漢方医学の統合は総合診療に役立つ~漢方薬と鍼灸~」で、広島大学病院漢方診療センターの田村義博医師と、北辰会会員でもあり、三井記念病院 総合内科の増田卓也医師より御発表頂きました。増田先生の演題は中国、唐代の孫思邈(581?-682)の『備急千金要方』の言葉からとった「鍼を知り,薬を知ってこそ良医である」という素晴らしいタイトル。(『備急千金要方』AD652<目録>巻三十鍼灸下<篇名>孔穴主対法第八「・・知針、知薬固是良医。」)

私も一番前に座って、何か補足すべきことがあれば発言しようかと思っていましたが、フロアからも非常に活発な発言があり、聴講者の熱量の高さを感じるとともに、増田先生の素晴らしいプレゼンもあり、特に何も補足もせずに済みました。

 

一方で、指定発言者である、愛媛の山岡傳一郎医師も仰っていたように、一番後ろの方に座って、じとーっと低いテンションで聴いている医師の先生方を、前のめりに変えるにはどうしたらいいものかとも、考えさせられました。

 

23日はさらに小川恵子先生が企画されたワークショップ10「鍼灸治療を体験してみよう!」という企画もあり、若手医師や医学生を中心に、実際に病院で勤務している鍼灸師の先生方から鍼を受けたり、脈や腹を触ってみたりと、非常に微笑ましい企画も行われていました。

 

こうやって徐々に、鍼灸治療が医師にとって身近なものになっていくことを期待します。

 

また、22日には増田卓也先生によるポスター発表「漢方煎じ薬によりスローテンポのピアノ伴奏が可能となった音楽家の局所性ジストニアの一例」も発表されました。

 

今回、鍼灸以外の様々な講演も拝聴しましたが、総合診療医の先生方の勉強されていることと、我々鍼灸臨床家の学んでいる内容には、親和性の高い部分がかなりあるなと、改めて実感しました。

 

今後もこういった、鍼灸に理解のある医師がたくさんおられる学会には積極的に参加し、我々の活動に御理解、御協力頂ける医師の先生方と、うまく連携して、患者さんの利益に繋がる様な活動が出来たら、と思います。

 

 

学会終了後は散歩がてら歩いて原爆ドームへ。

 

合掌。

 

文責 竹下有

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