2022年度より対面での定例会を再開し、多くの会員のみなさんと再会できる状況になっていること、心より有難く感じております。
現在、育成運営部、運営委員会において会員のみなさんにとって更なる学びとなるカリキュラムを鋭意作成中です。また理事会においても、みなさんが安心して当会に所属し、誇りを持って鍼灸医療に取り組んでいただけるよう常日頃から計画を練っております。
さて、今回は新年のご挨拶とともに、北米東洋医学誌(NAJOM)Vol.28No.86に掲載された奥村裕一学術部長執筆の記事「師匠の仕事を見学する」をご紹介し、この鍼灸医学を学んでいく上で重要なことを今一度みなさんと共有したいと思います。
記事では、まず最初に北辰会の理念・学術内容を紹介し、師である藤本蓮風会長の臨床現場から学んだこと、会長の代診として同じ患者さんを診たときのこと、また自らが会長の治療を受けて学んだこと、さらには、会長の身体に鍼をする機会を得て気づいたことなど、師との関わりを通じて学んだことがありのままに綴られています。
また臨床だけでなく、対外的活動に随行し、他会の先生方との交流の機会を得て見聞を広めて来られたことや、その経験が学会発表や執筆活動に活かされていることなど、長年にわたり学術部長としてその重積を果たしておられる奥村先生にとって会長との師弟関係がいかに大きな影響を与えてきたかが窺われます。
本稿を拝読し、また自身の経験とも照らしあわせたうえで、会員諸氏(特に講師陣)に以下の点を述べたいと思います。
・北辰会は藤本蓮風会長を創始者とし、会長の臨床実践とたゆまぬ研究によって今があるということ。
・またそれを支えてきた奥村先生をはじめとする、諸先輩方の尽力があるということ。
・今ある当会の学術内容を以て良しとするのではなく、蓮風会長の学と術に対する姿勢を北辰会の文化として、常に進化し続けることが大切であるということ。
・当会のテキストのみならず、北辰会の歴史にも学ぶこと。
※「ほくと」誌を1号から閲読されることをお勧めします。
・蓮風会長の臨床現場を体験し、会長の鍼を実際に自分の身体で受けてみること。
・積極的に学会に参加し、発表し、見聞を広め、日本の鍼灸業界ひいては医療業界を俯瞰し、さらにはグローバルな視点に立って、我々が何を行っているのか、何を目指しているのか、を鳥瞰する姿勢をもつこと。
テキスト、e-ラーニング、定例会、オンラインライブなどさまざまな形態で学べる時代になりましたが、そうしたいわゆる「学習の場」で学ぶだけでなく、今私が述べたことを会員のみなさんと共有し、切磋琢磨してこの鍼の道を歩んでいきたいと思います。かくいう私自身も決意を新たにこの2023年、取り組んで参ります。
※北米東洋医学誌(NAJOM)はカナダ・バンクーバー在住の鍼灸師水谷潤治先生が中心となって発行されており、日本のさまざまな鍼灸について北米向けに紹介されているため、日本の鍼灸の現状を把握しやすい内容になっています。
※北米東洋医学誌HP:http://www.najom.org/125071254012512.html
※参考(北辰会)ブログ:https://hokushinkai.info/news/archives/2020-8-3.html
北辰会代表 藤本宗家十五代 藤本 新風