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2025年1月26日(日)
徳島県鍼灸師会主催の講習会が、徳島シビックセンターにて開催されました。
当会会員で徳島県鍼灸師会会長の堀本隆久先生から招聘を受け、藤本新風代表が講師として登壇しました。
今回のテーマは、
効かせる鍼の技・北辰会方式(少数鍼治療)を学ぶ講習会
「望・聞・問・切 ―取穴から診断治療まで―」
講習内容は下記の通り。
午前:10:30−12:00
講義「北辰会方式概論」、ミニ公開臨床
午後:13:00−15:00
体表観察の実技トレーニング(腹診・原穴診・背侯診など)
質疑応答
・午前の講義
藤本家の歴史に触れながら、新風代表の自己紹介。
北辰会方式の特徴、多面的観察(体表観察)、各種鍼術、穴位効能(穴性)についての考え方を丁寧に分かりやすく説明。過去の症例を用いた舌診の解説では、「記録に残すことで、後々分かってくることがある」と自身の反省を踏まえ、 臨床における意義を考察。
また、他会派などから「北辰会の配穴理論がわからない」と言われる点にも触れ、今回は“豊隆穴”を用いて、確かな手順(弁証)、方法(切診と施術の技術)の上にあってはじめて臓腑経絡学・穴性が理解でき、さらに標本主従を踏まえることで、一穴での治療効果をより明確にすることができると熱弁。その後、ミニ公開臨床に移りました。
質疑応答では、参加者から鍼の特性や新風代表の臨床経験、病症への理解、感覚等に対して多くの質問があがりました。盛りたくさんの内容の午前でしたが、あっという間に時間が過ぎていきました。
・午後の実技
まずは、新風代表が腹診・背侯診・原穴診のデモを行い、
その後、男・女各3、4名が班に分かれて実技がスタート。
北辰会の体表観察の基礎となる“フェザータッチ”を中心に“衛気”を乱さない触り方についてのレクチャー。参加者からは実際に体表観察を行ってみて「難しい!(笑)」という声も多く聞かれましたが、新風代表が一人ひとり手を取って実践に導くことで、参加者も徐々にフェザータッチの感覚・理解を深めていった印象でした。
その後も新風代表は各班を巡回、直接指導。
ツボの左右差・大きさ・深さなどを丁寧に診ていくことで、参加者も、新たな気づきがあったようです。
実技終了後、会長の堀本隆久先生の「また、ぜひ徳島県で第2回目、第3回目もよろしくお願いいたします!」との挨拶で1日が締めくくられました。
今回はオンラインを含め、計45名が参加されました。
会場の参加者は、非常に積極的で学ぶ意識を強く感じました。
また、さまざまな流派の枠を超え て交流することで新たな視点を得ることができました。
この日の新風代表の講演・実技を通して、私自身、改めて北辰会方式の緻密さ、素晴らしさを感じたと同時に、丁寧な問診、人間理解、多面的観察、正確な弁証論治・体表観察があってこその“一本鍼”であることを再認識し、
日々、“学”と“術”両面の研鑽なくして“一本鍼”はない。
ということを痛感した次第です。
最後になりましたが、今回の開催にあたり、徳島県鍼灸師会会長の堀本隆久先生をはじめ、送迎していただきました篠原新作先生、役員のみなさまのご尽力に対し、感謝申し上げます。ありがとうございました。
機会があればまた“情熱の聖地”徳島県を訪れたいと思います。
文責:下城