先週の全日本鍼灸学会・大阪大会に続き、2018年6月8日~10日にグランキューブ大阪で第69回日本東洋医学会学術総会が行われました。
日本東洋医学会とは、1950年に設立された医師中心の東洋医学学術団体で、会員数が約8400名の日本最大級の東洋医学学術団体です。
6月6日梅雨に突入し予報では曇り時々雨模様となっていましたが、当日は晴れ模様の天気となりました。広い会場にも関わらず人があふれかえり、熱気を帯びているのを感じました。
今回の大会テーマは“漢方の実力、臨床力、癒し力”
テーマは現代の西洋医学中心の臨床現場に、臨床力の高い骨太な漢方治療を加えていきたいという意志が込められています。
今回北辰会から村井和先生が口演発表、竹本喜典先生が一般演題座長をされました。
目次
弁証に基づく少数鍼治療により腫瘍の縮小と CA15-3 の改善を認めた乳がんの 3 症例
北辰会正講師・村井和先生が悪性腫瘍の演題の中で、鍼灸によって腫瘍の縮小と CA15-3 の改善が認めた乳がんの3症例を口演発表されました。
症例は、和歌山市で一般内科と東洋医学の診療を行っている「和クリニック」院長の村井和先生の2症例と、北辰会代表(当時。現会長)で、「藤本漢祥院」院長の藤本蓮風先生の1症例をまとめ、考察されていました。
結果は、乳がん患者3名が、鍼灸治療によって見事に改善されていました。
発表時間7分という短い時間の中でそれぞれの弁証や体表所見、治療方針などを解説。
患者さんの手記の中から鍼治療で症状や精神状態が改善し、希望が持てるようになり、治療にポジティブになり結果が出たとありました。
北辰会方式では、如何にして患者さんに希望と安心を与えていくかを、非常に重要視しています。
癌という難治性の疾患においても、一人の患者に寄り添い、正しい診断、鍼灸治療を行うことで改善することを示してくださった3症例でした。
伝統医学的病態、診断、治療
座長のお一人として、北辰会・特別専門講師の竹本喜典先生が「伝統医学的病態、診断、治療5」に登壇されました。
伝統医学的病態の診断といっても、様々な考え方があります。演者は5名でしたが、それぞれに独自性がある内容でした。
そして、その発表一つ一つに、竹本先生が柔軟に必要な内容を質問されている姿が印象的でした。
終了後に。お疲れのところにも関わらず、素敵な笑顔で写真撮影に応えて頂きました☆
学会を終えて
日本東洋医学会は医師中心の学会であるため、演題がほぼ漢方薬によるものでした。その中でも『傷寒論』や『金匱要略』など古典を非常に深く勉強され、臨床にいかしている先生方も数多く見られました。
同じ東洋医学を扱う鍼灸師としては、鍼灸の原典である『素問』『霊枢』を深く研鑽していかなければならないと、感じました。
今回の学会に参加して私自身、多くの刺激を受け、さまざまな疑問や興味を持つことが出来たので、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました!
今後もこのような学会に積極的に参加して行こうと思います(`・ω・´)