皆様こんにちは。秋の気配が感じられるこの頃…うろこ雲に~道端にどんぐり(^^♪
朝晩が涼しくなり、日中との気温差が大きいですがいかがお過ごしでしょうか?
北辰会ブログ課、元気印のライターこぐまちゃんです(о´∀`о)
これから宜しくお願いいたします~~!!
先日9月24日は北辰会スタンダードコースが行われました。
その内容を、まるっ!と惜しみなく、徒然なるままに記して北辰会の学術を紹介して参りたいと思います。
それでは参りましょう~~(`・ω・´)キリッ
目次
背候診
→主に、臓腑経絡弁証に有効な診察法。特に臓腑弁証に有用性が高い。
背部の太陽膀胱経を中心に反応を診ます。
太陽膀胱経上は、五臓六腑の兪穴をコンプリート!
ですので、どの臓腑がバランスを崩しているのか、を判断するうえで非常に重要な診察法です_φ(・_・メモメモ
背候診の特徴とは?
- 左右の兪穴のバランスが大きく崩れているものや、相対する臓と腑の兪穴のバランスが崩れている場合は、その臓腑が異常の可能性がある。
- ツボは深さと広がりを持つ。病が重いほどツボは広がり、隣接する上下左右のツボと繋がってみえる場合もある。例えば、脾兪と胃兪が繋がってツボが大きく見えるなど。
- 左右差の大きい兪穴の反応は、原穴診と同側に出ることが多い。
背候診の診察方法は?
北辰会では背候診を行う際、まず始めに労宮を中心にして手掌全体でツボをみる「労宮診」を行います。
まずはじめに、大きな範囲の中から異常な部位を見つけるわけです(`・ω・´)⊃手!!
その後、指先を使い細かく反応を診ていきます。
今回は、労宮診について取り上げます!
労宮診
自分の手掌で、患者さんのツボに触れると、ツボによっては冷えていたり、熱く感じたりしますよね?
そういう冷感や熱感は、指先よりも労宮を中心とした手掌の方が感じ取りやすいため、労宮診は役立ちます。
また、体表には身体を覆っている「衛気」が存在します。
人によって様々ですが、衛気が虚ろのところもあれば、充実しているところもあります。
ツボを診る際も、この衛気を感じて診ると、虚実を把握するのに役立ちます。
実の反応としては、労宮を近づけると反発する感覚を得ます。
逆に気が不足すると、ツボの中心点に向かって吸い込まれるような感覚を得ます(๑•ૅㅁ•๑)
他にも、ツボが膨隆していたり、硬結ができているのは実の反応。
弛緩していたり、発汗しているのは虚の反応が一般的です。
これを要約してみますと、
労宮診は「寒熱」と「虚実」を診るのに優れている、ということですね( ゚д゚)☆ハッ
以上、実践から理論の内容までご紹介させていただきました。
これらを胸に、実践に活かして行きましょう╰(*´︶`*)╯
うつ症のカルテ解説
北辰会では、会員の実際の臨床記録を、定例会で発表・解説し、皆んなで理解を深めています。
今回は、中村二郎先生が治療されたうつ症の症例を、藤本新風先生が解説されました。
今回の症例検討では、問診の中にも様々な多面的観察が行われていましたΣ(-᷅_-᷄๑)
例えば患者さんの筆跡にムラがある所や、少し右上がりな丸の付け方ひとつにも、その人に対する人間的な観察が、既に始まっていました(´⊙ω⊙`)マル…
そして患者さんの御実家は、両親とも自営業をされている…
故に幼少期に夜寂しい想いをしていたかもしれない。
数年で急に増えた体重…この時期になんらかのストレスにより、食に走ってしまったかもしれない・・・等
これらは、東洋医学での病気の原因分類である「内因」「外因」「不内外因」のうち、内因が中心と考えられます。
つまり、日々生活する中での怒りや、人間的苦しみによる精神の不安定が、大いに病に関わる面もあるということです。
そして、問診者は患者を取り巻く環境、政治、経済状況、家庭環境、会社や学校での人間関係など、、
精神面に大きく影響を及ぼすであろう事柄も、理解できるだけの知識と見識を持っている必要があります。
もちろん、デリケートな質問も多いので、情報を引き出すタイミング、そしてテクニカルも必要です。
医療従事者に求められる人間性とは
東洋医学では、心(こころ)や精神を司っているのは、心神(しんしん)です。
心神の乱れにより、様々な身体の異変が起こります。
その乱れの原因を知る為に、問診を通して患者さんに対する人間理解を深めて行く事が、治療のキーポイントです。
その際に重要なことは、
① 謙虚で感謝の気持ちを忘れないこと
② 患者さんの人格を尊重すること
③ 耳を傾け共に考えること
④ 秘密を守ること
⑤ 説明責任を果たすこと
といった人間性が、医療者には求められます。
人間理解を深め、病に取り組む
人間を理解するためには、人間、病人について熟知することが重要です。
人間というものは、自分の関心がある事は率先して勉強したり丁寧に対応しますが、
そうでない部分はいい加減になったり…
それが、問診票の項目にチェックするときに、自分の関心がある所は大げさに表現する可能性がある。
そういう患者さんの心理を学ぶことが大事なのであります(´-ω-`)>ビシッ
患医一体
問診は、医者が患者さんの病を理解出来るだけでなく、患者さん自身も自身の病に対面できる場にもなる。
単なる肉体面の問題にとどまることなく、精神面、さらにはその人の病が起こった社会的背景や自然背景まで追及して、何がこの病気の原因なのかを、医者も患者も一緒になって探していくことができる。
つまり人間理解には最も適した方法であるのです(゜゜)フムフム
新風先生の解説の中、印象に残った言葉があります。
『患者さんが、人生をどのように過ごして来たか、患者さんの信念や価値観をわかろうとする事によって、患者さんに対する接し方が見えてくる。
そういう風に患者さんと話が出来てくると安心感、信頼感に繋り、聞きにくい事も聞きやすくなるし、また患者さん自ら話をしてくれることがある。』
今回の講義を受講して
医療者の治したい気持ちの強さや勉強量が、患者さんのデリケートな情報を聴く説得力に繋がるのかな…と思いました。
その方の心の襞(ひだ)、人間模様を東洋医学的に考える事によって、より患者さんに寄り添った治療を出来るよう、これからも研鑽して参りたいと思います!
参考文献・講師プロフィール
参考文献
北辰会方式実践篇(北辰会・会内出版)
講師プロフィール
藤本新風:北辰会・副代表。藤本玄珠堂・院長。
山本克仁:北辰会・正講師。鍼灸大仙堂・代表。
中村二郎:北辰会・講師候補。