最先端の鍼灸臨床がここに!湿熱黄疸の症例・傷寒論・内経気象学

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年11月19日大阪の高津ガーデンにて、北辰会エキスパートコースが開催されました。
藤本蓮風先生による「湿熱黄疸の一症例」、堀内齊毉龍先生による「ツボなどから読み解く傷寒論的解析と選穴のヒント」、橋本浩一先生よる「季節天候と病症、運気予測」など、注目講義目白押しの内容をお伝えします。


「湿熱黄疸の一症例」

西洋医学でも難しい状態の患者さんを、鍼灸治療のみで改善できた症例を、実際に治療に当たられた代表・藤本蓮風先生からお話し頂きました。

患者さんは、60代女性、数年前に自己免疫性肝炎を発症。ステロイド治療を拒否され、自己流の民間療法でしばらく改善するも、その後に尿が濃黄、腹部黄疸、頻回のゲップを発症された方です。

検査の結果、AST965、ALT1217(基準値AST9~32、ALT4~37)と西洋医学でも危険な状態。
自己流の民間療法に限界を感じ、藤本漢祥院に来院されたようです。

初診時点で、腹部と眼球に黄疸が認められ、紅舌・薄白苔、脈力があり、一般的な中医弁証では「湿熱黄疸」にあたる症例です。

中医臨床では、こういった実熱による黄疸は「陽黄」として、清熱祛湿を行うために、茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)が使われますし、
北辰会方式の配穴であれば、脊柱・接脊・脾兪・胃兪・公孫などの瀉法が該当しますが、藤本先生はここで左照海(補法)を選穴。

経過中は、ほぼ照海で押して、適宜後渓、申脈、合谷・三陰交の処置をされていました。

その結果、わずか10診で尿の色が薄くなりはじめ、28診後の検査でAST278、ALT356まで減少。
さらにその後、隔日の治療で「黄疸がほぼ消失」したという臨床経験を、ご発表頂きました。

その後、内科医の村井和先生から、検査データの解説や、一般的な西洋医学による治療と比較しても、優位に改善が認められると、お話を頂きました。

これほどの状態を、正気の弱りを見逃さず処置し、わずかな期間で西洋医も驚くような結果を出されているのは、流石としか言いようがありません。

経過中の舌のお写真も映写して頂き、紅に偏ったり、淡白傾向になったりと、一回一回の補瀉の見極めを誤ると、まず治っていないであろう症例であること。

また、当該患者さんは、少しの精神的な負担でも、体調が不安定になりやすい方で、如何にして希望と安心を与えていくのかも、臨床上は非常に重要だということもお話されていました。

鍼灸は、まだまだ可能性を秘めた医学であると感じるご発表でした。

「ツボなどから読み解く傷寒論的解析と選穴のヒント」

堀内齊毉龍先生からは、東洋医学会の関西支部例会でご発表された内容を、改めて定例会でご発表頂きました。

かの有名な『傷寒論』では、外邪が人体を襲って発症した場合、どのような経過を辿って治るのか、あるいは亡くなるのか、ということが書かれていますが、その治療法として、紹介されているほとんどが漢方生薬によるものです。

ここに、「経絡経穴」の立場から、鍼灸による症例を考察した『傷寒論』論を、東洋医学会で発表されたことは、かなり斬新なことではないでしょうか。

メインとなる症例解析では「昨日から悪寒と上半身の関節痛が始まり、本日、関節痛・吐き気と下痢(臭いなし)・口渇欲温飲・頭痛きつい」という、日常の臨床でもよくある訴えをされている患者さん。

所見は
【脈】1息4至半、浮かず沈脈
【舌】色褪せ強く湿潤がいつもよりも多い
【腹】右大巨あたり・左右の肝相火に邪
【ツボ(原穴)】左太白に虚の反応顕著です。

さて、皆さんならどう考えますか?

  1. 麻黄附子細辛湯
  2. 理中丸(人参湯)
  3. 桂枝人参湯㈬ 呉茱萸湯
  4. 黄芩加半夏生姜湯

などなど。傷寒論の条文が色々浮かびますね。

では、もし鍼灸で治療するには?となると、途端に難しくなるのではないでしょうか。

ここに、北辰会方式の診断・配穴理論があれば、対処できるようになります♫
そして、ここにこそ経方学派・中医学・鍼灸治療を結ぶ一大プロジェクトがあるのではないでしょうか。

堀内先生は一本の鍼で鮮やかに治されておられました。臨床・理論ともに、様々に示唆を受けるご発表でした。

「季節天候と病症、運気予測」

橋本浩一先生からは、運気論と様々な気象データをもとに、どのような病気が、いつ、どのような理由で起こったのか、また来年はどういったことが予測されるのかをご講義頂きました。

黄帝内経には、「運気七篇」と言われる、年と気候の関わりについての記述が、たっぷりどっぷりあります笑

これをもとに、歴代の運気論の研究家、そして現代の気象学を、難関の気象予報士の資格も取得して研究され、内経気象学を執筆されたのが橋本先生です。

内経気象学についてはこちら(Amazon)

今年は、台風による記録的な大雨・被害や、10月で真夏日を観測するなど、異常な気象がみられました。

例えば、10月10・11日に京都で気温が30℃を超え、さらに12日には気温が急降下するという異常気象。

橋本先生のところへ来院されたある患者さんでは、
「女性,10日よりのぼせと不眠症状,脈滑洪気味,左尺位虚,舌紅点はあまりない。」
と極端な気象の影響を受けた方が不調を訴えて来られ、適切に処置をした結果、症状が改善した症例をご紹介頂きました。

傷寒論も外邪が人体を侵襲した場合の病理を考えますが、現代においては、より多角的に外邪の影響を考えることが重要なのですね。

そして、来年は、運気論予測によれば、歳運:火運太過、司天:太陽寒水、在泉:太陰湿土です。

ここから読み取ると、気温が高く推移する火運太過司天は太陽寒水で一年を通じて気温が低く推移。

∴運気が寒熱が異なるので,寒熱相い争い寒暖差が激しくなる。+司天の影響を受ける前半年は太陽寒水で気温が低く、在泉の影響を受ける後半は太陰湿土で雨が多い。

との予測です。前もって思考準備をしておくことで、より良い臨床が行えそうですね!

「応用実技」

この日の午前は「応用実技」が行われました(*’ω’*)

応用実技では、舌診・腹診・原穴診・背候診などから苦手な診察法をテーマに、“何故うまく反応が取れないのか?”「触り方」「姿勢」「手の置き方」「意識の持ち方」などを講師の先生に見ていただき一つ一つ丁寧に改善していきます☆

上級者の方はペアの方の体調を伺いながら体表観察を一通り行い“鍼をするならどこを選穴するか?”を講師の先生と考察します(-`ω-)☆

学生の方は今後の臨床に反映できるように。臨床に立たれている方は明日の臨床に反映できるように。自分の能力に合わせた実技指導を受けられるのも北辰会の魅力です☆

もちろん聴講生の方には一から丁寧に指導させていただいておりますのでご安心ください♪

「Drコース」

そして別室ではドクターコースも開講されました!

北辰会では既に10数名以上のドクターが在籍しており、西洋医学的な観点からも多数のドクターに講師として病理分析、考察をしていただいております!

Exコースの実技ではドクター班を設置し、藤本蓮風代表自ら指導にあたられておりますので、是非ドクター、医学生の方も奮ってご参加下さいませ!(^^)!

以上、ブログ課・各務と前田がお伝えしました!

講師プロフィール

藤本蓮風先生 北辰会・代表 藤本漢祥院・院長

堀内齊毉龍先生 北辰会・正講師 天晴堂鍼灸院・院長

橋本浩一先生 北辰会・正講師 橋本鍼灸院・院長

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

多くの鍼灸師・医師・薬剤師が学ぶ、北辰会方式の最新情報

日々の臨床において、好ましい効果が得られなかったり、

治療の根拠が曖昧になって次の打ち手に迷ったりしていませんか?

北辰会では

・中医学の理論を体系的に習得

・日本や中国を中心とした古典の学習

・鍼灸と漢方薬の基礎と応用

・多数の難病・重症の治験例・カンファレンス

・少数鍼による無駄のない負担の少ない配穴

・日本古流派の考えを取り入れた手技

・現代で求められる衛生面・インシデント予防の知識

を学ぶことができます。

これにより、今まで手に負えなかった疾患や、西洋医学でも難しいとされる疾患を治すことができます。


一般社団法人 北辰会の最新情報はこちら

SNSでもご購読できます。