11月5日の日曜日は、ホテルグランフロント大阪にて、(一社)日本東洋医学会・関西支部例会が行われました。
(一社)日本東洋医学会というのは、1950年に設立された、67年の歴史を持つ、国内の医師を中心とした、日本の東洋医学の研究団体では最も古いもののひとつであり、会員数は9000名近い、大変大きな団体です。
会場は大変大きく立派なホテルで、フロアも超満員、若い先生も多く、熱気、活気があり、東洋医学の盛り上がりを感じました。
目次
ツボから読み解く方剤選別のヒント ~鍼灸症例の傷寒論的解析~
この日、(一社)北辰会正講師、堀内齊毉龍先生が「鍼灸セミナー」として、
「ツボから読み解く方剤選別のヒント ~鍼灸症例の傷寒論的解析~」
という内容での特別講演を行いました。
僅か45分という短い時間に、膨大な内容を、スッキリ、理路整然と解説した、非常に素晴らしいご講演でした。
堀内先生は『弁証論治のための論理学入門』の著者であり、北辰会の学術部員として、主に書籍の編集や出版に中心的に携わって下さっています。
その講義は昔から非常に論理的で分かりやすく、会員に大人気の先生です。
講演後はフロアからも盛んに質問が出ましたし、終了後の懇親会でも、多くのドクターから
「大変面白かった!」
「鍼灸の話はいつもよく分からないけど、今日の話はとても分かりやすかった!」
「すごい臨床をやっているんですね。」
「鍼灸を学ばなければ、と思いました。」
など、大いに関心、興味を引いていたようです。
現役医師も学ぶ北辰会方式の鍼灸
またこの日は、北辰会の特別専門講師・漢方医である竹本喜典先生も座長として登壇されておりました。
近年、北辰会ではエキスパートコースの中に「ドクターコース」を設けて、医師の先生方に積極的に門戸を開いております。
竹本先生のような漢方医に限らず、内科医、小児科医、ペインクリニックの先生など、多くの医師の先生方が北辰会方式を学んでおられます。
今回の講演も一つのきっかけとなり、今後も、北辰会に多くの医師が学びに来られることを期待します。
傷寒論について
また、今回の講演テーマであった『傷寒論』については、一般的には「漢方薬の聖典」として有名かもしれませんが、
過去には(一社)北辰会代表理事である藤本蓮風先生が、北辰会の機関誌である『ほくと』に、「傷寒論講義訳考」と題して連載を書いておりますし、
現在でも、正講師である愛媛の水本淳先生が、エキスパートコースでシリーズ講義をして下さっています。
北辰会として、以前から非常に重要視している古典の一つです。
なぜなら、『傷寒論』という書物には、健康な人が病になり、
だんだん弱っていって、最終的には亡くなってしまうまでの病理変化の、ありとあらゆるパターンが、微に入り細に入り詳細に記載してあり、
それを知る上で、鍼灸臨床家が学ぶ価値が非常に高いと考えているからです。
『傷寒論』に書かれている、それぞれの病のステージで、どのような症状が出て、体表の状態がどのように変化するか、
こういうことを考えながら鍼灸治療が出来るようになると、より正確な治療ができるようになります。
とりわけ、いわゆる「カゼ」と言われるような、急性の熱性疾患の治療には必要不可欠な知識の一つだと思います。
また、堀内先生も講義の中で仰っていたように、
漢方薬を扱う医師の先生方も、北辰会がやっているような体表観察の技術を身に付ければ、より的確な方剤選別が可能になるのではないでしょうか?
この日の堀内先生のご講演は、その具体例を詳細に解説して下さった内容だったと思います。
この日は他にも大変興味深い、参考になる講演、発表がたくさんありました。
医師が中心の学会ではありますが、鍼灸師の先生も、どんどん参加、参入するべき学会だと思います。
聞き逃した方へ朗報!
11月19日(日)北辰会エキスパートコース@大阪・高津ガーデンにて、
(一社)北辰会正講師・堀内齊毉龍先生による
「ツボから読み解く方剤選別のヒント~鍼灸症例の傷寒論的解析〜」
が開講されます。
東洋医学会に参加できなかった方も、学べるチャンスです。
ぜひ、ご参加ください。