こんにちは(´・ω・`)!!北辰会ブログ課のこぐまちゃんです!!
秋は夕暮れ 夕日のさして山の端 いと近うなりたるに…
としみじみ感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?
11月5日にスタンダードコースが、高津ガーデンにて開催されました。
今回の講義内容は臨床において重要なものばかり…。
内容を少しづつピックアップしてまいりたいと思います!!( ̄▽ ̄)
目次
基礎実技(空間診)
実技デモ:藤本新風先生
空間診とは
『素問』三部九候論の理論を発展させ、病を空間的気の偏在という側面から捉える、北辰会独自の診察法です。
全身の中で上下左右前後の何処に症状や穴の反応が偏るのか?という意識で、問診+体表観察を行っていきます。
さらにその他の診察法と空間診を総合的にリンクさせ、空間弁証を行いより効果的な選穴や予後の診断に用います。
患者さんの訴える症状に左右差、偏りはありませんか?
例えば問診で…
慢性的に左鼠径部痛+時折左膝内側痛を起こしやすく左足首内側ばかり捻挫しやすい
→左前下に気の偏在を起こしやすい傾向にある可能性がある。
ズバリ!!空間診を使うタイミング
体幹部、すなわち百会・臍・懸枢の経穴の周囲の反応によって、空間的な上下左右前後の気の偏在を診ることができます。
それぞれの経穴の周囲で圧痛を指標とし、圧痛が最も強い場所調べていきます。
弁証論治を行ったうえで、百会・臍・懸枢の三か所経穴の気の偏在の方向(ベクトル)が一致した際、気の偏在の方向を考慮した選穴をするとより治療効果が上がります。
空間診を身につけるために!!
まず『上下左右前後の法則』(メディカルユーコン社)を精読し、空間論の考え方を理解しましょう!
それを踏まえ、空間を示す穴処等の捉え方を理解しましょう。
北辰会の実技クラスでは講師が直接指導を行います。
まずは、自分の目で見て学ぶ、そして体感してみるのが一番だと思います。
是非、実技講義に参加してみてくださいね(・ω・)ノ!
飲食について(北辰会ver.)
2コマ目は准講師・尾崎祐二先生による、飲食についての講義でした。
なぜ、飲食のことを問診するのか?
ズバリ!!胃の気がどれくらい存しているのかを知るためであり、脾胃の働きが正常に働いているのかを知るためです。
食欲の有無で何がわかるのか
食欲適度、適量を食べられる場合は、脾の運化と胃の受納・腐熟の機能には、それほど問題ないと考えられます。
しかし、胃の腐熟作用が亢進して、胃熱が強い場合は過食傾向
「食べても食べてもお腹がすく…」といった胃の熱が脾に影響して、食欲が異常に亢進する消穀善飢(しょうこくぜんき)となります。
これらに対して食欲不振は、傷食、肝気犯胃、脾胃湿熱、胃陰虚、脾胃気虚、脾胃虚寒、脾腎陽虚などが挙げられ、
その他の臓腑も関わってきますので、更なる問診事項を追加する必要があり、どの臓腑が関わっているのかを問診で掘り下げていく必要があります。
脾胃と他の臓腑の関係とは
肝と脾胃の関係を掘り下げていきましょう。
まず脾胃と肝は消化吸収活動の調節を行います。
脾胃が正常に消化吸収を行うためには、全身の気機を調節する肝の疏泄作用が必要です。
例えば、緊張すると食欲がなくなるとか、お腹が痛くなって下痢したりするのは肝の疏泄が失調して横逆すると、肝気犯胃・肝脾不和を引き起こしている姿です。
余談ですが、この話を聞いている際に、こぐまの小学生時代の記憶が蘇りまして・・・(´・ω・`)
当時の私、こぐまは冬の体育で行われるマラソンが大の苦手でした・・・。そして冬のマラソン大会では直前に必ず腹痛・下痢しておりました。
まさに、肝気が横逆していた姿だったのですね(>_<)納得~~~笑。
講義では尾崎先生の飲食養生指導についてのお話などが混じり、すぐにでも臨床に使える内容ばかり…とても楽しい講義でした。
気血津液の生理と病理(北辰会Ver)
3コマ目は正講師山本克仁先生による講義でした。
今回の講義のポイントは
「気血津液の生理を踏まえ、気血津液の病理を知る。
そして基礎中医学を踏まえ気一元として捉えること!!」
気血津液とは何か…?
『素問・宝命全形論』には
「気聚まればすなわち形成り、気散ずればすなわち形亡ぶ」
とあります。
大宇宙は気一元の世界。
我々人間=小宇宙も、当然「気一元」。
気が集まれば〝形〟を成し、「血」や「津液」となる。
気が散れば〝形〟がなくなる。
人間という〝閉鎖系〟の中で、「気」が集まったり、散ったり、上下左右前後内外に流れ続けることで、生命を維持している。
気は、「太極陰陽の法則」のもとに運動変化する。
気が集まれば形を成し、形あるものも拡散して再び気に転化する。
人間は物質面も機能面も全て「気」によって成り立っている。
“気”がすべてにおいて先立つということ。
鍼灸…なんてロマンチックな世界…。(*´▽`*)
気滞病理学説とは
北辰会が重視している学説の一つ。
経脈の不通や気滞が病を派生させる、そして経気不利が起こると気の停滞が生じます。
気の停滞が生じると、血や津液も滞り、病理産物である瘀血や湿痰、あるいは熱邪が出現したり、逆に相対的に虚の部分が出現します。
結果、気機の昇降出入に異常が現れます。
このように、気の停滞がさまざまな病理を出現させることを「気滞病理学説」といいます。
北辰会が気滞病理学説を重要視する理由
北辰会の特徴の一つとして夢分流打鍼術を用いて治療を行うことが挙げられます。
そして夢分流の邪とは
邪=気血の鬱滞=気血の澱み
つまり気滞病理学説と全く同じ考えなのです。
現代中医学的に表現しますと、
気滞:推動不利により澱む
気虚:推動機能低下により澱む
気の滞りを防げば、あらゆる病を快方に向かわせることができ、新たな病を防ぐことができる…。
まさに鍼灸の「未病(ミビョウ)を治(チ)す」ということですね。
更に講義では“臨床における気血津液”というテーマで、気血関係のツボの解説等々
盛りだくさんの講義内容でした(*^-^*)
「NO SINKYU NO LIFE」
熱血山本先生の鍼への情熱があふれる講義でした!!
講師養成クラス
座学と同時並行で、午後からは別室にて講師養成クラスが開講されました(*’ω’*)
今年の講師養成クラスも残りわずか2回…!!
熱気溢れる教室の中で3時間の実技練習が行われました。
今回も個々が苦手な体表観察を中心に
手の使い方、手の置き方、意識の持ち方などを学びました。
↑油谷先生による特別治療に群がる講師候補の皆さん(‘ω’)(‘ω’)(‘ω’)おおおおお!!!!
↑(左)正講師・油谷 真空先生 (右)副代表・藤本 新風先生
休憩時間にはレモン飲料でつかの間のエネルギーチャージ!
※お二人とも偶然同じチョイスでした(笑)
午前の実技練習も合わせると
6時間強にも及ぶ時間をフルスイングでご指導いただきました…( ;∀;)
油谷先生、新風先生、ありがとうございました…!!!\( ;∀;)/
来季から総選挙にて選抜された講師候補生たちも加わり、
ますますパワーアップしている北辰会☆
(厳密な試験により選ばれておりますよ!)
1人1人の会員の体表観察能力、診察能力を高めることで、
目の前の患者さんをより早く正確に治すことが出来ます。
次回、年内最終回は12月3日(日)!
たくさんの学びを持ち帰れるように頑張ります(‘◇’)ゞ
講師プロフィール・参考文献
講師プロフィール
藤本 新風先生
北辰会副代表・藤本玄珠堂院長
尾崎 祐二先生
北辰会准講師・風胤堂
山本 克仁先生
北辰会正講師・鍼灸大仙堂代表
油谷 真空先生
北辰会正講師・風胤堂院長
参考文献
北辰会方式実践編