急性病を診るポイントとは?北辰会方式独自の正邪弁証を学ぶ!

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こんにちは(*’ω’*)

日なたの暖かさがほっとする季節になりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

2018年11月11日(日)に東京・高田馬場で関東支部スタンダードコースが開催されました!

今回は、急性病の症例解説と北辰会独自の弁証法・正邪弁証を学びました(*’▽’)

症例解説


講師:坂井祐太先生

坂井先生は自身の症例から、問診のポイントやカルテの使い方、急性病の取り組みについて、病因病理から治療方針の立て方まで、ポイントを絞って丁寧に解説して下さいました!

問診のポイント

問診では、肉体的側面にとどまらず、患者さんのプロフィールから、年齢や生活環境、社会的背景、精神面までも考慮していきます。

たとえば高校生ならば、どんな学校(進学校・実業高etc)なのか?どんな肉体的・精神的負荷がありそうか?家庭生活はどんな感じなのか?

さらに言えば、たとえば進学校と一口に言っても色んなタイプがあるので、「進学校=受験ストレス」というように決めつけないことも大切です!

そしてただ主訴を治すにとどまらず、患者さん本人の希望を聞くこと。

「希望通り対処可能かどうかは別として、信頼関係を築くためにも希望はキッチリ受け止めましょう」と仰っていたのが印象的でした。

急性病の体表観察

重症や急性病の予後展開を判断しやすい診断法が、顔面気色診・舌診・脈診です。

その他、急性病では境界の部分が陰陽を大きく戻そうとするため、表裏をつなぐ絡穴である井穴や左右(陰陽)の境界である督脈の圧痛も診ていきます。

そして他の診断法と合わせて多面的にみて治療方針をたてていきます。

急性病のリスク

急性病は急激に良くなることも悪くなることもあります。一時的に良くなっても急変する場合があるので、患者さんにも急変のリスクがある事を説明して体調に注意を払ってもらうことが大切です。

坂井先生は治療後に患者さんに電話連絡をして状態を確認されていました。

連続2日間鍼をして、治癒に至り、患者さん本人の希望もかなう結果となる素晴らしい症例でした。

正邪弁証


講師:佐藤達也先生

八綱弁証で虚と実がある場合(虚実挟雑)、正気と邪気のバランスを把握し、標本主従を明らかにするために正邪弁証を用います。正気の弱りが少なければ瀉法ができますし、正気の虚が大きければ補法をします。その判断はどれだけ正気があるのかがポイントになります。問診や体表観察などを通して正気の弱りを知っていきます。

正気の弱りを知るために

正気の弱りの程度を知る1つに、問診で肉体負荷試験を伺います。

たとえば、

「運動後に主訴や体全体がどう変化するか?」

「どんな運動をどのくらいの時間するか?」など具体的に聞きます。

もし運動はしていないという場合も、それで終わりにせず、生活を想像して、

「歩いてスーパーに買い物に行きませんか?その後症状に変化はありませんか?」

などと運動負荷がかかるところを聞いていきます。

また、「帰宅後すぐに横にならないとダメですか?」

もしくは帰宅後に買ったものを冷蔵庫に入れて洗濯物たたんで…となると正気の弱りはそこまで強くないかも、と考えます。

このように患者さんの生活を想像して細かく問診を掘り下げていくことが、正気と邪気のバランスを知り、患者さんの病の早期の治癒につながるのだなと改めて実感しました(*’▽’)

空間診実技


実技指導中の佐藤先生(^o^)

空間診は、北辰会方式独自の診察法です。

百会、神闕、懸枢の経穴の周囲の反応と尺膚を主に診ていきます。

この図は百会の診方をあらわしたものです。

北辰会方式では、百会穴から右5分を百会(右)、右1寸5分を百会右として診ています。(左も同様)

空間診については1月の定例会で講義がありますので、ぜひ聞きにいらしてください(^^)/

お知らせ☆

今後のイベントが盛りだくさんです!

皆さまのご参加をお待ちしております(^o^)

12月16日(日)

関東支部年末代表講演

2019年2月10日(日)~11日(月祝)

冬季研修会

以上、ブログ課支部スタッフ小倉でした(*’ω’*)

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