皆さん、こんにちは(*’ω’*)
平成30年5月27日(日)には東京・高田馬場にて北辰会スタンダードコース東京会場が開催されました!!
梅雨入り間近のこの時期。このじめじめとした蒸し暑さを吹き飛ばすかのように、情熱溢れる多くの方が集まって下さいましたよ!
午前は竹下有先生による「胃の気の脈診」、午後は基礎実技(望診・腹診)と金子太先生による「八綱弁証」でした。
東洋医学の歴史と同行するほどの歴史と伝統を有する脈診法。
北辰会方式では脈診をどのように診ているのでしょうか?
目次
胃の気の脈診
講師:竹下有先生
胃の気の脈診とは?
胃の気の脈診とは、胃の気という名の生命力を専一として候う診法です。
北辰会方式では、脈診の本質は胃の気そのものを診ることであり、脈診の真価を発揮するためには、胃の気そのものに注目した脈診法こそ基本であると考えています。
最大の意義は
- 胃の気の「盛衰」を診察出来ること
- 全身の気の歪みの状況を知り、適切な治療処置を行えること
です。
張景岳の弦急脈を拡大解釈して、北辰会方式では胃の気の盛んな脈に相反する脈を広く「弦急脈」として扱い4種類に分けて診ています。
竹下先生曰く、臨床における重要ポイントは
「胃の気の旺盛な脈と弦急脈(4種)をしっかりとかみ分けて診察出来ること。治療によって弦急脈を改善させ、胃の気の旺盛な脈状に近づけること。」
合掌脈診の理由
北辰会っていつもお祈り(合掌)してから脈みるよね!?
と思われることもしばしばありますが、合掌診法で手を合掌する位置が臍中心という脈診姿勢には2つ理由があります!!
1つは、いつでも同じ姿勢で同一の脈診部位を得るため。
もう1つは、合掌した手が関元付近に置かれるため、心神を安寧させやすいからです。
脈状診
脈状診では、まず六祖脈を確実に分類できるようにすることが大切です。
六祖脈というのは、浮沈遅数虚実。
この中でも虚実は、強いか弱いかの主観が入りやすいもの。
そこで北辰会では、脈力・脈幅・重按を診ています。
- 脈力:術者の指を押し返す力
- 脈幅:浮位から沈位までの幅
- 重按:沈位よりもさらに沈めても打ち返すかどうか
これらを総合して虚実をみていきます。
竹下先生曰く、脈状診では
「寸関尺の位置、手関節の角度、浮中沈の圧加減、術者・患者のフォーム、運指を誤ってはならない。
これを徹底的に踏まえて『木を見て森を見ず』にならないよう、大まかな脈状、とりわけ六祖脈を確実に。」
胃の気の脈診講義についての感想
竹下先生の講義を聞いて、
なぜ胃の気をみるのか?
なぜ脈力・脈幅・重按をみるのか?
などの道理を再確認することができました。
そして脈診の理想形は、
「脈を診るにも、診る側と診られる側の分離はなく、唯一つになって脈とともに流れるのである」
と、『弁釈鍼道秘訣集』から引用されていたのが印象的でした。
八綱弁証
講師:金子太先生
弁証シリーズのはじめは八綱弁証です。
金子先生は、八綱弁証を具体的に症例を出して分かりやすく解説して下さいました!
北辰会で使用している弁証法はたくさんあります。
八綱弁証・気血津液弁証・臓腑経絡弁証・六経弁証・衛気営血弁証・三焦弁証・病邪弁証・正邪弁証・空間弁証…など。
なぜこんなにもたくさんの弁証法が必要なのか?
それは、より多くのタイプの違うフィルターをかけることによって、色々な要素が絡み合ったような難しい病においても分類・分析し治療することができるようになるためだと金子先生は話して下さいました。
その中でも、病態を最も大きく捉える弁証フィルターが八綱弁証。
治療方針や予後の推定、治療処置の可否を判断する上で欠かせない弁証法です。
望診・腹診の実技研鑽
同日、小グループに分かれて望診と腹診の実技が行われました。
実技では、日頃の疑問点を聞ける絶好の機会です
たとえば、望診で「気色が抜ける」という表現が『体表観察学』にはでてきますが、実際にはどう見えるのだろう?
または、自分の脈診のフォームは正確にとれているだろうか?
というところなども実技でしっかり学ぶことができます!
感想
定例会では、勉強する上での疑問点や先輩方の臨床経験のお話なども聞くことができ、また自分が理解できてなかったところにも気付ける、とても勉強になる機会だとあらためて思いました。
ぜひ一度ご参加下さいませ(^o^)
以上、ブログ課支部スタッフ小倉でした(*’ω’*)