腫瘍の縮小とCA15-3の改善を認めた乳がんの 3 症例

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2018年6月17日のエキスパートコースでは、正講師・村井和先生、会長・藤本蓮風先生が共同で東洋医学会にて発表された「弁証に基づく少数鍼治療により腫瘍の縮小とCA15-3の改善を認めた乳がんの3症例」を定例会でより詳細に講演されました。

 

目次

乳がんの鍼灸治療


講演される村井和先生(右)と藤本蓮風先生(左)

乳がんは日本において罹患数・死亡数ともに増加の一途を辿っており、2013年の罹患数は、女性のがんの中で第1位となっています。
そのような乳がんに対して、鍼灸治療によって症状や数値の改善がみられた3症例を講演されました。
各乳がん患者さんの情報と、治療の結果は次の通りです。

 

症例 年齢 鍼治療開始 治療結果

奏功までの

西洋医学治療

1 63 手術2ヶ月前 鍼治療のみで腫瘍縮小 無し
2 52 術後1年半 治療頻度増でCA15-3の改善 手術のみ
3 45 術後4年 鍼開始1ヶ月で頚胸椎装具・介助不要

仕事・海外旅行再開

手術・抗癌剤

放射線療法

骨Ca代謝薬

症例1・2は、和歌山市にある村井先生の医院「和クリニック」にて、症例3は奈良市にある藤本先生の鍼灸院「藤本漢祥院」にて、それぞれ治療が行われました。

結果として、いずれの症例でも症状や数値の改善がみられています。

鍼灸単独、西洋医学との併用などそれぞれ違いますが、「改善した」という事実に違いはなく、患者さんにとって大きな希望と安心に繋がったのではないでしょうか。


がん治療のポイントを講義される藤本蓮風先生

講演を聴いて

改善に至るまでに行われた鍼灸治療は「北辰会方式」です。

北辰会方式では、東洋医学の基本となる「弁証論治」を徹底し、「少数鍼」による治療を行うことによって、患者さんの負担を少なく、かつ素早く高い効果の実現を目指します。

さらに、世界的に共通語となりつつある「中医学」の定義によって治療が行われているため、多くの専門家にとって理解しやすく、検討や再現しやすいという点も特徴です。

このような事から、がんといった複雑な病態であっても、きちんとした治療方針を立てることができ、結果として素早く高い効果を得られたと考えられます。

また、学会や講演で発表する際も、中医学を知っていれば理解されやすく、カンファレンスが行いやすいことも重要なポイントだと感じました。

傷寒雑病論(シリーズ講義)


同日・午前中には、正講師・水本淳先生よる傷寒雑病論の講義が行われました。
今回は、水本先生ご自身の症例を例題に挙げ、その治療戦略を解説されました。

今回の症例では、柴胡と黄連の関係について鍼灸・漢方の両面から考察していくという内容でした。

講義を受けて、傷寒論の原文の大切さ、タイミングを見ながらの治療を行う大切さなど、多くの学びを得ることができました。

常用兪穴刺鍼デモ

また、同日午後には、代表・藤本新風先生による、常用兪穴刺鍼デモが行われました。
普段よく使用される経穴の中からピックアップし、それぞれの経穴に応じた刺鍼法を披露されました。

北辰会方式では、基本的に独自の「撓入鍼法」によって刺鍼しますが、経穴によってアプローチの仕方を変えることで、結果が大きく変わります。
そのポイントとなるところを、リアルタイムの解説付きで行われたので、理解が進みます。

また、照明・カメラ・色の調整などによって、手元の細かい映像がスクリーンに映写され、会場全体に見えるように工夫されています。

刺鍼強化クラス

別室では、准講師を対象とした実技指導も行われました。
撓入鍼法を更に深めて習得し、会員の皆さんに伝えていくポイントを学びます。

Drコース

こちらも別室で行われた医師向けの実技指導です。
鍼灸治療を行ったことのない先生もお気軽にご参加ください。

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多くの鍼灸師・医師が学ぶ、北辰会方式の最新情報

日々の臨床において、好ましい効果が得られなかったり、

治療の根拠が曖昧になって次の打ち手に迷ったりしていませんか?

北辰会では

・中医学の理論を体系的に習得

・日本や中国を中心とした古典の学習

・鍼灸と漢方薬の基礎と応用

・多数の難病・重症の治験例・カンファレンス

・少数鍼による無駄のない負担の少ない配穴

・日本古流派の考えを取り入れた手技

・現代で求められる衛生面・インシデント予防の知識

を学ぶことができます。

これにより、今まで手に負えなかった疾患や、西洋医学でも難しいとされる疾患を治すことができます。


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