「皆さんこんにちは!暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
これから2週にわたって本部支部と丸1日体表観察を学ぶ定例会が続きます(*’▽’)
まずは東京・高田馬場において2018年6月24日に支部スタンダードコースが開催されました。
午前中に望診・腹診に関する講義があり、午後は望診・腹診を中心とした3時間にもわたる実技を行いました。
では、北辰会方式を学ぶ上で欠かせない体表観察とは?
そして望診・腹診を学ぶポイントについてみてまいりたいと思います(^^)/」
目次
体表観察とは?
北辰会方式では、望診・聞診・切診を合わせて「体表観察」と呼び、伝統医学における身体の診察法と位置付けています。
『素問・陰陽応象大論』には「以表知裏」(表を以て裏を知る)とあり、体表面から臓腑の状態を認識する重要性を述べています。
この視点は鍼灸をする上でとても重要であり、さらに脈だけや舌だけではなく、多面的に体表の観察をすることが北辰会方式では重要と考えています。
詳しくは『体表観察学‐日本鍼灸の叡智』をご参照ください。
フルカラーで、望診・腹診をはじめ、背候診、原穴診などを詳しく解説しています!
望診のポイント
午前の講義1つ目は、望診。小倉が担当いたしました。
望診とは?
術者の視覚を通して体表から「神・色・形・態」を観察することを望診と言います。
望診には顔面気色診、舌診、眼診、爪甲診、体幹や四肢の望診などがあります。
視診と望診の違い
望診の望という字は、遠いところや広い範囲をじっとみること、太極を捉えるという意味があります。物質的に客観的に見る視診に対して、主観的に神・色・形・態を見ようとする目的意識性が働くのが望診です。
診療において最初に行われる診察法で、患者という人間にアプローチしていく上で重要な診察法です。
治療院に入ってきたときの全体の雰囲気やドアの開け方、ちょっとした仕草や姿勢などもみていきます。
今回の講義では、「顔面気色診」と「舌診」を重点的にみていきました。
腹診のポイント
午前の講義2つ目は、佐藤達也先生による腹診です。
北辰会方式の腹診は、夢分流腹診を採用しています。
佐藤先生は、夢分流腹診の歴史、腹診の診察意義、腹診の手順や各論などについて解説して下さいました。
夢分流腹診でいう邪とは?
五臓六腑の不調和が腹部に邪として反映されると考えています。
私自身、この腹部の邪と通常の虚実の違いに戸惑っていたことがありました。
夢分流の邪とは気血の鬱滞を意味しています。
気血の鬱滞と聞くと、そこに何かがあるから実だ!と思いがちですがそうではありません。
夢分流腹診において邪ができるパターンとして虚実両方の可能性があります。
1つは気滞。もう1つは気虚。
気滞は推動不利を起こし、気虚は推動機能低下を起こし、気血の鬱滞=邪という形であらわれます。
では、邪はどんな反応としてあらわれるのでしょうか?
邪の反応
基本的には腹壁の緊張、動きの悪さとしてあらわれます。
その他に、光沢、腠理の広がり、熱感、冷感、弛緩、汗の有無、圧痛の有無、くすぐり感なども邪の現れ方として捉えます。
腹部は全身の縮図
腹部は全身の縮図ですから、中脘と関元をみる際も、その部分のみを診るのではなく、中脘で上半身、関元で下半身というように大きく上下を診るという意識がとても大切だと、佐藤先生は仰っていました。
望診・腹診・脈診の実技
尾崎真哉支部長による実技デモンストレーションの様子です。
佐藤達也先生による望診・腹診・脈診実技の初めての方向けのデモンストレーションです。今回聴講生の方も多く、皆さん熱心に説明を聞かれていました。
2人1組になって実技研鑽中です。
金子太先生による望診・腹診の臓腑配当図。
皆さんこの図を見ながら実技研鑽を積んでいました!
1日を通しての感想
午前中の体表観察講義の内容をふまえて、午後の実技で質問したり理解を深めたりして熱心に参加されている方が多くいらっしゃいました!
また、自分自身も分かっているところと分かっていないところが少し明確になり、今後の課題として学んでいきたいと思いました。
今年は丸1日体表観察を学ぶ定例会が本部支部それぞれ3回ずつあります。
この機会に自分の体表観察のレベルアップにさらに励んでまいりましょう٩( ‘ω’ )و
以上、ブログ課支部スタッフ小倉でした(*’ω’*)