症例カルテ解説!膨大なカルテ情報を活かすポイント

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猛暑の3連休の中、東京では北辰会スタンダードコースが7月15日に東京・お茶の水にて開催されました!

今回は藤本新風代表自ら、実際の患者さんの治療の流れ、また治療経過等について解説して下さいました。

北辰会方式の臨床ってどんな感じなのだろう?

日頃体表観察や弁証など学んでいるけど、実際に臨床ではどのようなつながりがあるのだろう?

という疑問に答えてくれる一日となりました。

5月に本部で行われた症例カルテ解説と合わせて読んでみて下さい!

目次

症例カルテ解説「身体痛、不正出血」


講師:藤本新風代表

北辰会方式の初診問診は1~2時間かけて行います。

さらに体表観察所見などを合わせると膨大な情報量です。

この情報をできる限り整理しやすく、またそれを最大限に生かすように作成されているのが北辰会専用カルテです。

では、この膨大な情報の詰まったカルテをどう使っていくのがよいのでしょうか?

筆跡や丸の付け方

たとえば、記入してもらったカルテから患者さんの筆跡や丸の付け方などもみていきます。患者さんのおおよその性格や心理状態を探る重要な情報となります。

因人制宜

カルテに記載されている年齢や性別、結婚歴、職業などからも、その患者さんのことを想像し、因人制宜を意識して問診をしていくことも大切です。

患者さんの思い、たとえば、認められたいという気持ちがあったとしても、言葉に出して言うことはなかなかできません。そういう言葉にならないものを感じられるように、患者さんに向き合って治療を進めていくのが東洋医学です、と新風先生が仰っていたのが印象的でした。

体表観察のとり方

体表観察では、カルテに羅列的に記載するのではなく、各診法の特色を踏まえ、顕著な所見を残すことが大事です。

たとえば、舌診では寒熱虚実を意識して記載します。原穴診や背候診ではどの臓腑経絡の反応がより顕著なのか、を意識します。

そして問診情報をふまえて何を意識して体表観察するか、というところも詳しく解説して下さいました。たとえば、問診で陰血不足の傾向が見受けられるなら、体表観察で陰血不足傾向だがどの程度なのか、など虚実のウエイトなども意識していきます。

いつも定例会で学んでいる、問診、体表観察、弁証、病因病理などを、症例カルテ解説では一連の流れでみることができます。そして、そのつながりをもっと意識してみていくことが大事だなと改めて思いました。

基礎実技(背候診)

尾崎先生によるデモンストレーションから始まり、初級と中級以上に分かれて実技を行いました。

北辰会方式では、膈兪以上の経穴を診察する場合は座位にて、膈兪以下の経穴を診察する場合は伏臥位にて行います。

今回は新風先生も指導にまわってくださり、直々に指導してもらった方はとてもラッキーです(^^)

気血津液弁証


講師:圡田丈先生

気血津液弁証とは、気血津液の状態というフィルターを通してみるもので、内傷雑病の状況を判断するのに用いています。

気血津液は身体にとってどういう働きをしているのか、それが不足したり滞ったりするとどういう問題が起こるのか、ということをイメージとして持つことが大事だと、圡田先生は仰っていました。

そして、今年度は弁証についてさまざまな講義がありますが、弁証するにあたっての考え方が分かっていないと、弁証の意義を理解しても活用していけませんので、圡田先生は気血津液弁証に加えて、弁証するために大事な論理学についても話して下さいました。

マジカルバナナって流行っていましたが、バナナ🍌といったら黄色!黄色といったらヒマワリ・・・なんて連想ゲームでつながっていっても、これは論理的とは言えません。

論理的とはどういうことなのか(?_?) 圡田先生は分かりやすい例えを出しながら説明して下さいました。

もし、講義を聞きそびれてしまった方は『弁証論治のための論理学入門』を読んでみて下さい!!


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そして講義終了後は、飲み会へ!(^^)!

新風先生とご一緒したいという参加者の方も多く、飲み会には新入会員の方も多く参加して、とても盛り上がっておりました!

定例会では聞けなかったこと、日頃の勉強方法など、北辰会の講師の先生方とも飲み会で色々お話しできますので、ぜひ一度参加してみて下さいね(^o^)

以上、ブログ課支部スタッフ小倉でした(*’ω’*)

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