秋も深まり落ち葉が色づく頃、東京・高田馬場のワイム貸会議室にて
10月27日(日)、関東支部定例会が開催されました。
今回は2019年度「経穴解説」の第2回目として
前回同様、午前中は経穴の講義、午後は腹診、空間診、取穴の実技が
行われました。
目次
経穴解説③「膀胱経・腎経・心包経」
佐藤達也先生には、以下6穴について解説いただきました。
膀胱経(承山、申脈、心兪)
腎経経(太渓、照海)
心包経(内関)
先生は最初に「経穴の勉強をする時には、必ず『臓腑経絡学』も開くべき」
と強調されました。
北辰会テキスト『臓腑経絡学』には正経以外に、経別脈、十五絡脈、経筋が記載されています。全体の流中図が頭に入っているからこそ、北辰会では1穴で治療効果を上げることが可能なのだとおっしゃいます。
例えば、膀胱経「承山」の主治として、次の(1)〜(3)が上げられますが、
- 首から背中の異常
- 痔瘻、脱肛
- うつ病
正経の流中図しか頭に入っていないと、なぜ(2)や(3)の主治となりうるのか説明することができません。単に「本にそう書いてあったから」ではなく、
自分の頭で考えて自信を持って選穴するには「流中の中にある経穴」を常に考えておくことが大事だということがわかりました。
経穴解説④「三焦経・胆経・肝経」
金子太先生に、解説いただいたのは以下10穴。
三焦経(関衝、陽池、外関、天井)
胆経(足臨泣、陽陵泉、)
肝経(行間、太衝、蠡溝、期門、章門)
豊富な症例をお話しいただきながら経穴の特徴についてわかりやすく教えていただきました。
特に印象深かったのが、病院で危篤状態だったご尊父の「人中」、「陽池」、「神闕」にアプローチすることで、一時的に回復に向かわせたというお話。
病院から蓮風先生に電話をしてアドバイスをいただきながら、治療を行ったそうなのですが、病院で鍼が使えない為、金子先生はずっと「陽池」をさすってお父様の心陽を建て直していたそうです。
死の淵に立っている患者さんを一時的にせよ、呼び戻すことができたのはすごいことです。私はこのエピソードを聞いて、経穴に対してもっと学ばなければいけないこと、最後まで諦めないで対応し続ける大事さを学びました。
基礎実技(腹診・空間診・取穴:天井・内関)
実技デモンストレーションには、竹下有先生にご登場いただきました。
腹診、空間診、取穴(「天井」、「内関」)の仕方についてわかりやすく
教えていただきました。
(腹診時の手の当て方:フェザータッチで行う)
(背部の空間診:第一腰椎棘突起上の八方向で背部の気の偏在を観察する。
【注】懸枢の周りではない。)
(空間診(百会):「百会」周辺だけを見るのではなく、
頭全体が「百会」という意識で見る)
(取穴①「天井」:仰向きでとるやり方)
(取穴①「天井」:横向きでとるやり方もある)
(取穴②「内関」:手首の下にタオルを置くやり方)
実技練習ではレベル別に分けた班で、相手を3回変えながら、腹診、空間診の体表観察と取穴(天井・内関)練習を行いました。
自分で出した結果について実技講師の先生に見ていただく時は毎回ドキドキします。
(経穴に触れる前に手の労宮で衛気の状態を感じとる。)
(腹診は素早く相手に不快感を与えない触り方を心がける)
自分が講師の先生に実際に触診されると、ただ手を当てているというより、邪が新しいのか、古いのか、浅いところにあるのか、深いところにあるのか、
ちゃんと見極めながら触っているのだということがわかります。自分もこのように触診しなければと思うのですが、なかなか同じようには行きません。
先生に「見る時は息を詰めないこと」、「近くを見過ぎず、遠くを見るようにすること」など講師の先生のご指導を仰ぎながら行なっているうちに午後の3時間はあっという間に過ぎてしまいました。
次回11月定例会の午前中も同じ基礎実技(腹診、空間診、取穴)が行われますのでその時までには少しは進歩させたいと感じました。
それでは数々の反省を含め
関東支部ブログ課スタッフ、和田麻由子が報告致しました!