人間理解の大事。帯状疱疹後神経痛の一症例

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2019年11月10日(日)に東京・高田馬場にて支部定例会が開催されました。

午前は基礎実技(腹診・空間診・取穴)、午後は症例レポート「蛇串瘡(帯状疱疹)後神経痛の一症例」です。

白熱した1日の模様をお伝えします!

目次

症例レポート

症例を発表して下さったのは、伝統鍼灸 寧心堂院長の森岡健介先生です。

さらに尾崎真哉支部長と竹下有学術副部長が解説して下さいました。


(左:竹下有学術副部長、真中:尾崎真哉支部長、右:森岡健介先生)

患者さんは49歳男性。

主訴は、蛇串瘡(帯状疱疹)後神経痛

初診時には、風呂の水が揺らぐ、風が当たる、衣服が触れるだけでも激痛がある状態だったそうです。

投薬治療による改善がほとんど見られませんでしたが、鍼灸治療を行うことにより、痛みの軽減、患部の知覚鈍麻および乾燥感が改善された症例でした。

患者さんの人間像

今回も会場から多くの質問が飛び交いました。

中でも、患者さんの人間像に関する質問が多く見受けられました。

質問の中には、患者さんと同世代の立場からの発言や、患者さんと同様に運動部の経験からの質問など、様々な視点からのお話もあり、聞いていてとても勉強になりました。

患者さんがどんな方なのか、どんな考えをしていてどんな生活を送られているのか、様々な視点から患者さんの身になって想像することが病を治していく上で大事なことだと感じました。

病因が七情とは限らない

また問診をしていて、病の原因が七情不和からくるものと意識し始めると、偏った問診になりやすいです。

七情ばかりでなく、病因となりうる飲食などもきちんと意識して問診をすることが大切だと感じました。

また、発表者の森岡先生に対して、同年代や先輩の先生方からの熱の入った質疑応答もあり、会場中大盛り上がりでした(゚∀゚)

病態把握の奥深さ

個人的に特に印象的だった話題が、

患者さんのこれまでの経過から、精神的負荷がかかったときに多夢や不眠など心が不安定になりやすい面があるにもかかわらず、今回の症状では心にいってないのはなぜなのか?

邪の流れなどの話題も出て、改めて東洋医学的にみる病態把握の奥深さを感じました。

肝鬱化火という弁証をして後渓一穴にただ鍼をするのではなく、もっと背後に深い考えがあった上での一本鍼なのだということを感じる質疑応答だったのではないでしょうか。

基礎実技(腹診・空間診・取穴)

実技デモンストレーションは、本部正講師の山本克仁先生です!

山本先生は本部支部の定例会カリキュラムを作って下さっている先生です!

本部でも支部でもいつも熱く楽しくご指導くださいます(*´ω`*)

山本先生は大事なことを強調して話して下さいました。

まず体表観察をする上で、患者さんの正中線を常に意識することが大切です。

そして合わせていく努力をすること。

空間診では、臍周囲の緊張度合をみますが、臍周囲ばかり見ようとすると視野が狭くなってしまいます。臍周囲の緊張度合は気の偏在をみるためなので、たとえば臍の右上の緊張をみるときは患者さんの右上半身全体を広くみる意識が大事です。

ここで教わったこと学んだことを日々の臨床でも実践して、身につけるよう努力することが大切だと改めて感じました( ..)φメモメモ

イベント盛り沢山♪

  • 関東支部年末代表講演

さて、いよいよ年末が近づいてまいりました!!

年末と言えば、毎年恒例!関東支部年末代表講演です☆

12月22日(日)東京衛生学園専門学校にて。

今年のテーマは脈診!

北辰会初参加の方も毎年たくさんいらっしゃいます。

北辰会に興味はあるけど参加を迷っているという方にも、北辰会ってどんなところか垣間見れる絶好の機会だと思います☆

ぜひ一度ご参加ください!

ともに学んでまいりましょう(^^)/

関東支部年末代表講演チラシ

https://hokushinkai.info/info/2019/2019kanto.pdf

  • 冬季研修会(順雪会)

2020年2月23日(日)・24日(月祝)には熱海で宿泊型研修会があります!

蓮風会長の講演を聴ける貴重な機会です。

打鍼や古代鍼の実技を2日間じっくり学ぶことが出来ます!

日頃なかなか話す機会のない先生とも話せるチャンス☆

ぜひこちらもご参加ください(^^)/

冬季研修会チラシ

https://hokushinkai.info/info/2019/2019jst.pdf

冬季研修会インタビュー 竹下有先生

https://hokushinkai.info/news/archives/2019-11-16.html

以上、ブログ課支部スタッフ小倉でした(*’ω’*)

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