初めまして!ブログ担当の新人、和田麻由子と申します。
北辰会に入会して早6年、これから小倉先生と一緒に定例会についてお伝えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします!!
さて、梅雨の雨に紫陽花が美しく映える6月23日(日)、関東支部定例会が東京・高田馬場のワイム貸会議室で開催されました。
午前は、先生2人による、肺経から小腸経の経穴の講義、午後は、午前中に学んだ経穴を、原穴診、背侯診の中で再認識するという実技で「経穴」学習、盛り沢山の1日となりました。
目次
経穴解説①「肺経・大腸経・胃経」
𡈽田丈先生に解説いただいた経穴は、18穴。
肺経(少商、太淵、列欠、尺沢)
大腸経(商陽、合谷、曲池)
胃経(厲兌、衝陽、豊隆、上廉(上巨虚)、足三里、大巨、天枢、滑肉門、不容、承満、梁門)
スポーツマンの𡈽田先生の所には、スポーツ外傷の患者さんが集まりやすく、捻挫や骨折などを鍼で治した経験が豊富です。
いくつかご紹介いただいた症例の中で、私の興味を引いたのは「突き指」。
「突き指」の治療で鍼灸院を訪れる患者さんがいるとは意外でした。それだけ、先生が患者さんとの信頼関係が築けているということがわかります。
そして、主訴である「突き指」の治療を、手の井穴刺絡で治療を行ったところ、主訴はもちろんのこと、元々あった腹部の「心下」の詰まりまで取れたそうです。
これは井穴が「心下満を主る」ということと、体表観察で、腹部の「心下」の詰まりに着目していたからこそ繋がってくる認識ですよね。
主訴の部位にとらわれることなく、患者さんの全身をくまなく観察して治療を行うことの重要性を感じました。
経穴に関して先生が強調されていたのは、「経穴は気の出入りする所である」という意識を持ったまま「感覚的」に経穴の状況を理解するということ。
最後のまとめとして先生がおっしゃった中で印象的だったのが、「自分のからだを磨く」ことの大切さ。
自分の「合谷」の状態が良いと「経気」の流れがスムーズで、経穴の状況も理解しやすくなるようです。
また「北辰会講師の先生に手がかたい人はいない」とのこと。
う〜ん、私はまず「自分のからだを磨く」ことから始めないといけないようです。
経穴解説②「脾経・心経・小腸経」
本山裕子先生に解説いただいた経穴は、10穴
脾経(公孫、太白、三隠交、陰陵泉、血海)
心経(極泉、神門、少衝)
小腸経(少沢、後渓)
先生は経穴の説明をなさりながら、途中、絶妙なタイミングで中医用語や「外感病」などの病のメカニズムの「おさらい」が入るのが特徴です。
「公孫」の解説をしている時に「心脾両虚」という言葉が出てくれば、言葉だけがなんとなく頭の中を通り過ぎてしまわないように、その仕組みについてお話いただきました。
私にとっては特に、「神門」や「後渓」の説明時、人が「痛み」を感じる時のメカニズムや北辰会独自の理論である「神主学説(心神を安定させることで痛みを軽減させる説)」の「おさらい」が経穴の理解に役に立ちました。
先生の説明を聞きながら、治療者は選穴の際、使用する経穴はどういう性質で、どういう治療目的で、どう効かせるのかを頭に入れて選ばなければならないのだなと考えさせられました。
基礎実技(原穴診・背候診・取穴)
実技デモンストレーションには、本部の育成運営部長、山本克仁先生に
ご登場いただきました。
北辰会方式の取穴の仕方についてわかりやすく教えていただきました。
北辰会方式の「神門」は尺側手根屈筋腱の尺側にとる。
北辰会方式の背部兪穴はこの通りW字に並んでいる。
山本先生は、意識する順番として「虚実→寒熱→表在→深在→左右差」をあげられ、初心者のうちは「まず『虚実』を中心に観察して下さい」と述べられました。
基礎実技では相手を3回変えながら、原穴診、背候診の体表観察を行い、自分なりに試行錯誤して得た結果を実技講師の先生に見ていただきました。
実技指導する本山先生
自分の診立てでこれは「虚」なのか「実」なのか迷っていた所も、講師の先生のアドバイス通りに指をあてると「あっ、これは『虚中の実』だ」と明確になり、とても勉強になりました。
まとめ:「経穴解説」とは?
6月の定例会では、講義と実技のおかげで「経穴」についてしっかりと学ぶことができました。
最後に、ちょっとだけ北辰会の経穴テキスト「経穴解説」に触れておきます。
「経穴解説」は「藤本蓮風会長が試し、諸先輩方が効果を確認してきた」選りすぐりの経穴が解説されています。親しみやすい語り口調と懇切丁寧なイラストで、初学者にも大変わかりやすく学べる内容となっています。
2007年に発刊、その後2013年には増補改訂版が発刊されていますが、北辰会は「進化し続ける」ことが信条なので、今後も新たな知見が蓄積されていくことが予想されます。
7月は「経穴の考え方」というテーマで、藤本新風代表による代表講演が行われます。
「経穴」の最新情報を得るためにも、みなさま、ぜひご参加ください!
以上、関東支部ブログ課スタッフ、和田麻由子でした!