『経穴解説』韓国語版が出版されました!!

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先日藤本蓮風会長著『経穴解説』が韓国語訳で出版されました!

祝!韓国語版出版

藤本蓮風会長著『経穴解説』が韓国で訳され韓国語版として出版されました!

『経穴解説』は藤本蓮風会長の長年にわたる中国医学古典書の研究と豊富な臨床経験の蓄積から得た知見をもとに、鍼治療の際に用いる経穴をわかりやすく解説したもので、2007年に出版されました。

『経穴解説』では、経穴の中でも特に効果の高いツボをとりあげ、それぞれについて「主治」・「刺鍼の仕方」・「応用」に分けてわかりやすく解説されており、出版当初から鍼治療に欠かせない良書として高い評価を受けています。

2013年には2007年本にさらに新たな知見を盛り込み、現場での治療に役立つようにとイラストが加えられ、サイズもひと回り大きくなった『経穴解説』増補改訂新装版が出版され、鍼灸師にとって“必携の一冊”となっています。

2003年に同じく藤本蓮風会長の著『臓腑経絡学』が出版されているのですが、『経穴解説』ではそこに書かれている“臓腑―経絡”にさらに“経穴”を加えることで、“臓腑―経絡―経穴”の関係をより鮮明に、よりわかりやすく解説されています。とくに、初心者には難しい古典書の内容が臨床という実践からひもとかれているため、読み返すたびに新たな発見がある一冊となっています。

医学書は一般書とはちがい、専門用語が多く内容も専門的であるため、翻訳されるのは翻訳するに値する書籍に限られています。

「東洋医学」は地域ごとにその発展の様相が異なりますが、今回翻訳版が出版された韓国は、17世紀初頭李氏朝鮮時代に許浚(ホ・ジュン)により編纂された『東医宝鑑』の歴史を受け継ぎ、伝統医学がさかんなことで知られています。

この伝統医学は韓国では「韓医学」と称され、韓医師になるためには西洋医学の医師と同じ6年間の大学教育と4年間の研修期間が必要となっています。

つまり「韓医学」は西洋医学と対等の関係にあるということです。「韓医学」では昔から「一鍼二灸三薬」(第一に鍼、次に灸、その次に薬)と言われるほど、治療における鍼の役割が大きく、世界で唯一“鍼灸専門医制度”を有している国としても知られています。

韓国ドラマの中で、フツーの人が鍼を使って瀉血するシーンをご覧になった方も多いのではないでしょうか?

今回『経穴解説』増補改定新装版が、その伝統医学のさかんな韓国で翻訳・出版されたということは、本書に対する評価がいかに高いかを示しているといえましょう。

※『東医宝鑑』は2009年に貴重な文書や資料の保存をめざす国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記録遺産)に登録されています。

韓国語版訳者(オ・ジュンホ先生)序文の紹介

数多くある古典医書を読むと、その内容はそれぞれの著者である医師が臨床で幾度も試み、効果を確認した治法であるという事が伝わってくる。そういう意味で古典は、昔の医師達による「累試累験」である、と言い換える事ができる。

この累試累験という四文字には、古典の著者がどれだけ多くの試行錯誤を繰り返したか、という意味がこめられている。そして、どれだけ多くの紆余曲折の上にその臨床が成り立っているのか?そこに思いが至れば、この四文字は全く別の深遠な意味を持つようになる。

つまり東洋医学(※1は、単純な思惟の結果ではなく、長久たる時間の中で数多くの医師達が積み重ねてきた「累試累験」の記録なのだ。東アジアにおいて、疾病と死闘を繰り広げてきた彼らの臨床経験によって形作られた「巨大な臨床経験の集積」なのである。

さて、この『経穴解説』では、十四代鍼医の血統を受け継ぐ藤本蓮風先生の、40年に渡って臨床し「累試累験」してきた経験が綴られている。

氏は、この本において記載されているものは「全部一つずつ、自らの手で、汗水流し、試したもの」と言っている。実際、この本の中では氏がしてきた試行錯誤、更により良い治療法を求める探究心、そしてその結果としてひらめきを得た方法論が満載である。

全くよどみのない氏の語り口は、65万名もの患者を治療してきたという長きにわたる臨床経験の証左である。そして氏の語るツボの反応の大きさ、その開き具合、刺鍼時の感覚など、まるで実際目で見ているかのように具体的だ。

長年、指先で観察してきたからこその境地であろう。これを土台として氏は、受講者の質問を愚問に変えてしまう。「そう見えているから、そう治療するのだ」、という風に。

例えば、鍼を患側にすべきか、健側にすべきかという問いに対して、両側のツボの状態を比較して決定するのだと淡々と語る。形式的なものに縛られず、見えるまま、観察されるまま治療しているだけなのだと。

氏の説明により、古典医書の中の理論は、自らの経験を包括する為の指針ではあるがそれ以上ではなく、実際の臨床においては、患者に対する注意深い観察だけが、医学における「月」であり本質であると気付かされる。

この本において、氏は読者に対しても、観察の基本となる思惟を要求する。そして氏の説明は、日々の臨床の中で、治療を通じてツボの変化を感じ取るという経験をしている者には、知見を広げる良い教材になるし、またその様な経験がない初心者にとっては、進むべき道を指し示す羅針盤になってくれるだろう。

この本は、実技や口授の講義録の内容を編集・整理したものだ。本では氏の言葉が口語体で書かれており、省略や多くの指示代名詞が使われている。

また何かを指し示す動作の様子やその過程を説明している部分が少なくない。現場の様子を生き生きと伝えようとした部分ではあるが、その場にいたわけではない我々訳者達にとって、内容はややもすると間違って伝わりはしないかと気がかりなところである。

原著の主旨に合わせて翻訳しようと努力したが、その様な理由で翻訳上の誤りが有るのではないかと思う。翻訳の至らなさについて、読者の方々の了解を求めたい。幸いなことにこの本には多くの挿絵があり、氏の説明を補強してくれている。その絵を参考にして、氏のメッセージが読者に届くことを信じている。

最後に良い本を紹介し、翻訳を任せて下さった魚の森(※2)関係者に謝意を表する。

訳者を代表して オ・ジュンホ

※1ハングルで直訳すると漢医学とも韓医学とも読めますが、文脈的に東洋医学としました。

※2出版社の名称と思われます。

蓮風会長からの言葉 『韓国版・経穴解説が出版されるにあたって』

この度韓国語版『経穴解説』が出版の運びとなった。海外で翻訳出版されるとは感慨深いものがある。

しかも、、あの偉大な医学者ホ・ジュン「許浚(허준)」を産んだ国である。この書が翻訳の対象になったのは様々な理由があろうが、内容からほぼ一本鍼で多くの病に立ち向かっている姿勢が評価されてのことだと思う。

このことは北辰会としても大変名誉なことでありがたいことでもある。

訳者は韓医学の最も実力のあるお二方である。

経歴を簡単にご紹介しておく。

訳者のお一人・オ・ジュンホ氏は慶熙大学韓医学科を卒業、同大学院で医事学で修士・博士を終える。現在、韓国韓医学研究院で韓国の伝統医学をより深く理解するため、古典韓医学書籍を研究。訳書に「鍼灸経験方」「食医心鑑」「傷寒経験方」「軽宝新篇」(以上共訳)などがある。

訳者のお一人・パク・サンヨン氏は高麗大学哲学科を卒業、同校の国文学科大学院で韓国漢文学で修士博士号を取得。韓国古典翻訳院の「五洲衍文長箋散稿」の監修に参加し、韓国韓医学研究院発売アプリ「私の手の中に東医宝鑑」の責任を務めた。2017年3月から2019年9月まで韓国韓医学研究院の北京事務所所長を務め、現在、韓国韓医学研究院研究員として在職中。訳書には「中国医学の起源」「傷寒経験方」「傷寒論通俗講話」「気の自然像」「傷寒論十四講」などがある。

韓国語版『経穴解説』紹介ムービー

韓国の出版社から『経穴解説』の紹介動画がYoutubeで公開されています!

https://youtu.be/THWurHK-ORs

以下翻訳

皆さん,こんにちは。
僕は皆さんの書籍紹介人、本を紹介させていたたく韓医師の権秉祚です。
今日、皆さんに紹介したい本は「水魚叢(魚の森)」というアイアールホーム・ペー
ジに乗せている、僕が個人的に大好きな本、『経穴解説』です。
僕は本を買うのが好きで、この本は僕の診療室に置いてはあったのですが、恥ずかし
ながら、まだ読んでいませんでした。でも、今回皆さんに紹介する機会を得たので、
全部読みました。

簡単な紹介
この本は藤本蓮風という方が40年間の臨床経験を通じて、何度も繰り返して、試し
たり、自分が経験したことが講義録の形で整理されています。

外観紹介
本の装丁を見ると、最初に“経穴解説”という文字が見えるでしょう。この“経穴
解説”というタイトル、なんとも上手に付けたと思うんですが、それは、本を読め
ば分かりますが、本当に一つ一つの経穴について解説をして下さっているんです。
それぞれの経穴について、その位置、刺鍼、主治などをそのまま解きほぐしている
本なので、“経穴解説”というタイトルは本当にぴったりです。
次に見てほしいのは挿絵です。本の最後で説明してくださっていますが、330カット
の絵が載せてあって、ツボの位置やそこへの針の刺し方等を視覚的に理解するのに役
に立ちます。

構成紹介
本の最初のところを見ていただくと、 “この本の読み方”という著者のお勧めの読み
方と、その活用法について簡単に説明して下さっています。著者が漢方医学に対して
いかに理解されているかをうかがえる部分です。その後ろに14経脈と経穴に対した解
説があるんですが、少し残念なのは、ツボ全てを扱うんじゃなく、主な常用ツボにつ
いてのみ扱っているところですね。 僕が自分で印をつけておいたんですが、ここ、
見えますよね?ツボごとにそれぞれ、ツボの名前、刺鍼、主治、応用というように統
一した形で説明されています。なのでこれを見れば、みなさん勉強する時に少し楽に
なると思いますよ。

長所&短所
まず長所について申し上げますと、 一番の長所は本が易しく書かれていることで
す。講義録を本にされたので、口語形式で書かれており、翻訳に当たった方々も、
読者達が読みやすいよう易しく書いてくださったそうです。どんなにいい本でも、
読むのが少し難しいと 、読まなくなるんじゃないでしょうか。でもこの本は全然そ
んなことがないんです。
でも、短所もあるんです。それは、 さっきも言ったようにツボについて、挿絵をた
くさん載せてくれていて、文も解り易くいて書いてあるんですが、それでも正確に穴
位を触知するには少し限界があります。でも、これは、最近インターネット検索すれ
ば映像がよくできていて、簡単に解決するんじゃないかと思います。

本の内容について
著者が臨床で効果を得て、適用ている鍼の話が全般的に盛り込まれています。また、
どんな疾患に活用したか、どのように応用が可能なのか、こういう内容をよく伝えて
いる本です。
また著者は、経験から、ツボを単に治療ポイントとしてのみ使用し鄭るのではなく、
診断のポイントとしてそれを使い判断しています。そのため、この本では、体表の観
察がいかに重要かが貫かれており、重要なツボの扱い方が重要だと著者は話していま
す。

推薦対象
皆さん、この本は果たして誰が読めばいいでしょうか?お分かりですよね。経穴学の
教科書を見ていたら、量が多くて知らないうちに本を閉じてしまったという覚えがあ
りますよね。そんな経験のある方みなさんにおすすめします。強力推薦です。 全部
読んでいただければよろしいと思います。

一行評価
この本は易しく解説してくれて、そして早く読める経穴の教科書だということを申し
上げたいです。
僕の本の紹介はここまでです。本当にいい本なので、皆さんも買って、長く見てい
ただければよろしいと思います。

 

最後に序文とYoutubeの翻訳をしてくださった広州中医薬大学の趙英日教授、北辰会関東支部の本山先生に感謝致しますm(__)m

引用文献

曺基湖 徐廷徹 李源哲 金甲成

『韓国韓医学会の現状と鍼灸分野における近代韓日交流史-鍼灸学を中心に-』

全日本鍼灸学会雑誌、2002年第52巻5号,601-609

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