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伝統鍼灸学会視覚障碍者のための情報提供委員会にて
こんにちは。関東支部の塚田と申します。
2021年8月8日に、伝統鍼灸学会視覚障碍者のための情報提供委員会の中で関東支部長の尾崎先生がご講演なさいました。今回の企画に関わらせていただいた塚田から当日のリポートをしたいと思います。
まず、この委員会がどういった趣旨で行われているかと言いますと、伝統鍼灸学会内( http://jtams.com/ )で視覚に障害をお持ちの方への配慮をどう行うか?を話し合う場として設けられました。
例えば学会当日の症例集や目録を点字で用意するといった配慮です。2年ほど前から、この委員会では他流派間での実技を中心とした交流会が始まりました。年に2度ほど開催され、今回8月8日は北辰会の実技公開の順番ということで尾崎支部長にご講談いただいたという流れでした。
近年盲人鍼灸師、特に伝統的鍼灸を業にしておられる先生は非常に減っており、少数民族の中の少数者ですので、概ね10名前後のアットホームな集まりとなっております。
主に經絡治療の団体である紘鍼会の松本先生、漢方鍼医会の二木先生をはじめ、東洋鍼医学会、杉山遺徳顕彰会、日本伝統経絡鍼法会、文京鍼研究会など多くの会派が参加しており、
いずれの団体も、視覚障害をお持ちの先生が多く所属しておられます。
北辰会からは、私塚田が視覚障碍者ということで参加させていただいております。
会場は、いつもは両国にある江島杉山神社内にある施設で開催されるのですが、コロナ感染者急拡大の影響で、施設が一時閉鎖することが決まり、急遽船堀のタワーホール内和室に変更となりました。
杉山神社で、北辰会の実技を盲人の先生相手に披露する光景を拝みたかったので、残念ではありますが、いずれ実現する日が楽しみです!!
当日は、台風が近づいていたこともあり雨風が強く、また、オリンピックの最終日という日でした。
尾崎先生はと言いますと、出がけに靴墨でシャツを汚すといったハプニングあった様ようですが、始まってからは、尾崎先生節の熱血講義が炸裂で、参加なさった先生方からも多くの質問、感想をいただきました。
北辰会方式の概要、特徴、使用する鍼の種類の説明などを20分ほどで行い、2名のモデルに対して、四診から治療までを行いました。
レジュメは事前にワードデータをいただくことで、PCのテキストを読み上げソフトで情報共有を行いました。参加者のほとんどが目視できないため、尾崎先生が手を取りながら盲人の先生に腹部や原穴などのフェザータッチの実際を体験していただいておりました。
漢方鍼医会の二木先生は、日ごろ、鍉鍼のみで治療を行っていることもあり、衛気を意識
した診察も行っているとのことで、北辰会の衛気診にもとても感心を持たれておりました。また、二木先生にはモデルにもなっていただき、尾崎先生の相引之針を体験されたところ『30分経っても大谿に響いてる』と感想を述べておりました。
また、松本先生からは夢分流の腹診をどうやって中医弁証に落とし込んでいるのか?といった質問や、左肝右肺の論についての質問も出ました。北辰会の見解や、歴代の医家や内経難経の考えを用いながら回答をなさっておられました。
約3時間の交流会は時間が足りないくらいに盛り上がり、無事終了。
個人的な感想ですが、経絡治療、中医理論や日本古流派の学術などなどを否定的に議論するのではなく、互いの立場や見解を理解し合うためにも双方の学術を理解することの大切さを感じました。
また、どの立場で論を交わすにしても、黄帝内経や難經など古典を共通言語にすることで、うまく互いの理論について意見を交わし合っていた光景がとても印象的でした。
そういう意味でも『古典を読むことはやはり大事だよな!』と、改めて感じました。
尾崎先生のように、会話の中でさっと古典のどこに何が書いてあると言えるくらいに読み込むことも必要だなと、背筋が伸びる思いでした。
長くなりましたが、以上がリポートになります。視覚障害の方中心の集まりではありますが、これからは外部からも参加しやすい形に変えていく様子ですので、もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ参加してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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