Exライブ配信「症例解説:陰部掻痒・不育症の一症例」

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9月中旬、一時期は涼しくなり…

秋の訪れも感じるような季候でしたが、再び日中は真夏日に達することがあったりと…

まだまだ残暑の抜けない日々ですね (^_^;)

今回は9月11日に行われました、Exライブ配信のレポートです!

目次

「陰部掻痒・不育症の一症例」

発表は筒井まりか先生による「陰部掻痒・不育症の一症例」。

解説は正講師 坂井裕太先生、学術副部長の竹下有先生です!

患者は30代女性、高校時代に受験で上手くいかないことがあった後に一時期月経が停止、陰部の掻痒感が出現して以降、陰部の掻痒感が増減しながらも長らく続いているというもの。

また、結婚後は妊娠を意識し始めた頃から月経痛が増したり、痒みが強くなったり…という背景もあり、数回流産も経験している…という経緯があっての来院だったようです。

症状の違いはあれど、なにか上手くいかなかった・失敗した…というショックなことの後であったり、女性であれば妊娠を“意識”し始めてから「なにかと不調が…」といった方は多いのではないでしょうか?

そういった事実を患者さんからは問診で確認できてとして

“肝気鬱結”の関与はあったとしても、ここからどのように弁証分類していくのか…

一つ一つの症状の意味合いを考えながらも視聴できる非常に興味深い内容でした!

筒井先生は治療経過をきれいに纏めてくださっており、

視聴する側も観やすくて分かりやすいようになっていました(^^)

経過の中で、一筋縄にはいかないこともあったようですが

それでも、ずっと患者さんは通い続けてくださっておられたようで

非常に筒井先生のことを信頼しておられるのだな…と、

結果云々以前に臨床家として学ばせて頂く面がありました!

まずは、信頼…

心神を掴まない限りは良くなるものもならないですよね(^_^;)

筒井先生の発表後にはその後は坂井先生からの解説。

今回のテーマである

「陰部掻痒」「不育症」を東洋医学的に分類すると、どのようなものなのか…

といった基礎的なお話をされたあとから、本症例の解説にあたっていきます。

まず、非常に印象に残ったのは

「元々その人は東洋医学的にはどのような傾向にあるのか?」という体質素因から丁寧に考慮していくことでした。

本症例では、

・衛気が皮毛部位で停滞しやすく、邪熱が皮毛で鬱積しやすい。

・肝鬱気滞〜化火しやすい。

のという体質の可能性が考えられ、

それが時間経過の中で何が原因でどの部位に症状を出してくるのか…

というまさに点ではなく線で、ストーリーとして捉えて考えていかなければならないな、と

改めて考えさせられました。

患者さんの話をそのまま鵜呑みにせず、

しっかりとこちらが関連付けて誘導してあげないといけないわけですね。

(ということは、何から何まで頭で理解しておかないと引き出しも増えないわけで…

う〜ん…勉強あるのみ!!)

また選穴部位に対しての解説、一本鍼だからこその考え方。

2本にした場合は検証が難しくなるために穴位効能を理解し極力一本に絞り込む

(今回は蠡溝+合谷などがありました)。

このようなこともハッとさせられる面がありました!

竹下先生からは5つのポイントを絞っての解説。

そもそもではありますが、

①妊活と七情面(人間理解)は非常に思うものがありました。

そもそも妊娠〜出産に対して、患者さんごとに思うものは違うはず。

若い人が妊娠何回目…というのと、

なかなか妊娠できなかった方がやっとの思いで子を授かった…というのでは

やはりそこに対する本人やパートナー、家族の思いも違うはずですよね。

そこの思考を術者が汲み取って、理解し、より添えない限りは

その後の治療効果も大きく変わってくるものだと思います。

そこは、問診を大事にする北辰会の強みでもあるのではないでしょうか?

最後には…代表も参戦くださいました!

皮毛という浅い、陽の部位での邪実があるならば、筋骨レベルでの深い、陰の部位においては陰血不足などが起こっている可能性があるのではないか?という陰陽・虚実の相対的な考え方をお聞きし、

再びe-ラーニングの“補瀉論”を視聴し直したくなりました!

また代表ご自身の臨床経験も踏まえたお話も貴重で、且つ分かりやすいお話を頂きました!

今回はコメント欄において話題になった質問…

古典にある禁鍼穴以外にも「新婦さんに対して下肢の経穴を使わないほうがいいのか」というもの。

代表の、補法にしろ瀉法にしろ結局は気を“引き下げる”に繋がるので

最大にリスク回避をするならば使わないほうが無難であるだろう…と。

これもまさに補瀉論に通じる話ですよね。

場合によっては下を補う必要も出てくるとは思いますが、

それもしっかり弁別できていれば…の話ですね。

やはりその人の元々の体質から生活環境まで丁寧に抑える必要がありますね!

今回もボリューム盛り盛りでしたが、隅から隅まで学びの多い一症例でした!

貴重な症例を発表してくださった筒井先生、

解説してくださった講師陣の先生方に心から感謝申し上げます。

ありがとうございました!m(_ _)m

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