こんにちは(*^^*)
最近は寒波の影響により冷え込みが厳しいですね。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
本日のブログは1月21日㈰に行われたExライブ配信のレポートをお届けします。
目次
Exライブ配信「症例解説:腰痛」
発表は山本匡宏先生、解説は正講師の油谷真空先生、尾崎真哉先生です
まず、尾崎先生から腰痛の中医学的知識や歴史的沿革の講義がありました。
症例発表を視聴する前に復習出来て良かったです。
腰は腎の臓と関りが深いですが、「腰痛」には様々な病因があり「腰痛=腎虚」ということは一概には言えません。まずは問診、そして四診合参して弁証していく必要があります。
今回の患者さんは70代の女性、下剤を服用するようになってから腰部(命門)に鈍い痛みを発症という症例でした。
まずは山本先生より、患者さんの基本情報・現病歴・四診から得られた所見などを順番にご提示していただき、初診時の証・選穴、その意図に関しての説明がありました。
まず問診において重要な事。
それは「腰痛」という主訴の、痛みの部位、性質、増悪緩解不変因子、基本的なことをしっかりと聴くことです。
今回の患者さんの腰痛情報として
・座位姿勢動作による作業時に出現
・集中しているときに主訴が消失
・歩行時間が長いと増悪
・下剤服用を始めてから主訴発症
という情報がありました。
情報から虚実が錯雑していることが分かります。
山本先生の問診術により患者さんの情報が多い&丁寧にカルテを纏めてくださっていた為、視聴する側にとってわかりやすい症例でした。
山本先生の診たてでは
「身体として、幼少期から気鬱に陥りやすい傾向。更に既往歴で“粉瘤が繰り返しできやすい体質ということから脾虚や痰湿の一面があるのではないか。
更に大人になって気を遣う営業の仕事+重量物を下げて回ることで上焦部の気滞へと発展し、以降上焦部の気滞を生じやすい傾向となり、またパート時の無理な重量物の引き上げや頻回な下剤使用により腎を傷めた結果、下焦の虚に乗じて気の停滞を引き起こし、主訴発症に繋がったのではないか」という考察でした。
初診時の証は肝鬱気滞≧腎虚>(脾虚)
配穴:左後谿に置鍼。
(空間左上にある気の偏在を意識して相対的な右下の虚を補うという意図を明確にした選穴。)
しかし2診目では主訴不変。二便不変。体表観察により脾を意識して、右公孫に処置。
3診目は腎虚の反応が顕著であったことを踏まえて左照海を選穴。
腎虚を意識してから起床時の腰の硬さや痛みが楽になっている様子。
6診目からは照海よりも申脈に顕著な反応が見られたため左申脈に変更。
しばらく申脈続けていくうちに主訴と周辺症状に関して更なる改善傾向がみられ、痛みが気滞中心に変化してきたことにより最後は百会や後谿に処置をして主訴が緩解した。
以上が前半の発表でした。
発表の中で山本先生の考察や選穴の意図を説明してくださりとても学びとなりました。
正講師による解説・まとめ
後半のまとめでは油谷先生・尾崎先生から解説がありました。
治療経過から結論では
「元々仕事のストレス、そしてコロナ禍における発散不足(家で過ごす時間増加)により肝鬱傾向ではあるが、肝鬱があるからといって発病するわけではなく、本症例においては、下剤により腎を損傷していったため、肝腎のバランスが崩れて発症した」というストーリーであったことが分かりました。
今回の症例のポイントはズバリ「虚実」!!!
まず初診では、正邪弁証における標本において、本を実と判断して治療を進めるも効果を得られず標本を考え改め、虚を本において治療を行った結果、主訴の改善が認められたこと。
結果として3診目以降、腎虚を本として照海に治療を変更し、一定効果を得ていること。6診目で申脈に変更して、朝の腰痛と便通及び尿勢が改善していることから本が虚であったことがわかります。
経過の中で病因病理がどのように変化したのかを詳しく解説してくださいました。
今回の症例では早い段階で標本の判断を変えたことが良かったという評価。
一方で、本症例における問題提起がいくつかありました。
北辰会方式の特徴は“少数鍼”
少ないからこそなぜ効果がないのか、どうして治ったのか…とフィードバックして考えることが出来ます。
今回の症例では見事に3診目で病因病理を修正し、より適切な治療を導いた症例であり、大変多くの学びがありました。
虚実錯雑している場合の判断の難しさは、自身の臨床で痛感していることでしたので
今回の症例を通して学ぶことが出来てよかったです。
あと日頃の臨床から、患者さんが常時服薬している薬が臓腑経絡や気血にどのように影響しうるか考えることが重要なのだと感じました。
また最後には今回の症例について、新風代表からコメントを頂いたものを油谷先生がご紹介くださいました。
患者さんがどのような生活、悩みで今に至ったか。また肝鬱と腎虚のウェイトの問題について。臨床的に重要なポイントを、学ばせて頂きました。
新風代表のコメントを受けて油谷先生から
「代表のコメントにある「腎の陰陽の偏差」については、今回の情報から正確に出すことができなかったですが、代表のご指摘のとおり、もう少しそこに意識して問診や体表観察ができていたら捉えられた可能性があります。初診問診はもちろんですが、経過でも、例えば、照海が効いていたときと申脈が効いたときに意識していたら、腎の陰陽の変化も掴めたかもしれません。」
とお言葉を頂きました。
今回も症例を通してたくさんの気づきがあり大変勉強になりました。
明日からの臨床に活かせられるようこれからも研鑽していきたいと思います。
先生方ありがとうございました。
次回の症例解説も楽しみです♪(^^)/
追加資料配布決定!!!
ライブ時間中にお伝えすることができなかった内容を追加資料として配布が決定いたしました!
・最終版病因病理チャート
・空間の経過
・濡脈について
追加資料を見て、アーカイブ動画で復習しましょう☆
最後に
2月5日までツイキャスのライブ履歴から今回の症例解説が何度でも視聴できます!!(正会員:無料 准会員、准会員B、聴講:3000円)
まだ見ていない人も、一度見た方も大変勉強になりますので、是非ご覧頂ければと思います!
~北辰会では新規会員も随時受付中~
2月からの入会も大歓迎!!
特にe-ラーニングだけ視聴されたい方には、
“准会員Bがおススメです!
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