2023年4月2日、奈良県立医科大学の大講堂にて日本東洋医学会 奈良県教育講演会が開催され、演者として当会代表の藤本新風先生、座長として当会理事・特別専門講師の竹本喜典先生が登壇されました!
目次
鍼灸の鉄人と湯液の鉄人!?
テーマは
『鉄人対決みたいな。漢方と鍼灸を併用した症例を通して、湯液の立場、鍼灸の立場』
なんとも興味がそそられますね!(☆ω☆)
今回はオンライン配信もあり、ハイブリッド形式にて行われました!
湯液の立場から解説してくださったのは
日本東洋医学会監事・代議員、
三谷ファミリークリニック:三谷和男(みたにかずお)先生!
かの三谷和合先生(漢方界において、舌診の大家)のご子息で、漢方医であられます。
⇒http://www.mitani-fc.com/page1
竹本先生のお話では、三谷先生は鍼灸に対しても信頼をもってくださっており、新風先生とコラボをしたい!
と以前から思ってくださっていたようで、今回、奈良県部会さんが実現してくださいました!
実現した鉄人VS鉄人の熱き論争!
この眼に焼き付けて…!!!
いえいえ、
お互いバチバチしあっていたわけでは有りません(笑)
鍼灸の立場から診た考察、湯液の立場から診た考察、
それぞれの考えを聞くことができて非常に楽しむことが出来、また学ぶことも多かったです!
弁証の精度を上げるための四診 ~北辰会方式の紹介~
始めに、「弁証の精度を上げるための四診 ~北辰会方式の紹介~」を竹本先生がご講演されました!
北辰会方式の四診について
かなり分かりやすく解説して下さりました。
どこどこの経穴は漢方でいうと○○湯、△△剤っぽい働きをするところ〜
といった解説もあり、私自身も改めて経穴の効能について、
新しい知識を学ばせていただき、勉強になりました!
そして症例紹介へ
今回の症例は座長である竹本喜典先生のタケモトクリニックに来院されている患者さんで、主訴は目眩の患者さんの一症例でした。
竹本先生は主が肝火上炎、従が陽明実熱として
『豊隆』胆経寄り(反応の一番強いところへ当たるように)を選択しておられました。
近位には上巨虚(承気湯的なツボ)もある、ということも仰っていました。
体表観察で改善を確認し、最終評価にて「少陽経まで十分ではないが、瀉法でやりすぎる感じはない」と判断され、大柴胡湯エキスを処方されています。
そして2診目、目眩なし!!
ここでは本治で筋縮を選穴し、再び大柴胡湯を処方され、
患者さんはその後も目眩なしで過ごされた、とのことでした。
そして鉄人たちの考察へ…
まずは新風代表から今回の症例を「もし、“鍼のみ”で行うのであれば」という内容で鉄人対談がはじまりました。
本症例が空間診では否定されたことについても、「一致しなかった」で終わらせず、なぜ一致しなかったのか?といった理由についても考察があり、「なるほど〜!」と一人で勝手に頷いておりました(笑)
また、経過の推測・注意点もチャート図で説明してくださり、非常に分かりやすく、
尚且つ、このように将来的な推測がしやすいのは弁証論治を適宜行い、少数鍼で処置をする北辰会だからこそ、とも感じました!
そして三谷先生!
医師という立場で西洋、東洋でみた“目眩”を整理し直し、
また本症例の患者さんを取り巻く環境がもっと知りたい、と。
これは北辰会・会長の藤本蓮風先生が仰る「病を見る前に人を見よ。人を見る前にその周辺を見よ」に通ずるものがあると思いました!
湯液だけで考えるならば…と解説してくださいましたが、
「鍼灸治療で解決できるところに湯液は不要です。では、どこに手を出していくか?」
「東洋医学の原点に戻って、医師・薬剤師・鍼灸師がチカラをあわせて東洋医学の治療を行っている実際を堪能していただきたい」
という思いが込められておりました!
実際の我々の鍼灸臨床では漢方を服用・処方されている患者さんも多くいらっしゃいます。
私は医師でも、薬剤師でもなく鍼灸師。
鍼灸からみた東洋医学だけではなく、湯液・漢方の視点からみた東洋医学にもしっかり目を向けて、より患者さんのためになる判断、処置ができるように精進していきたいと感じることができました!
このような講演に生で参加することができ、
非常に気づくことも多く、学びになりました(^^)♪
代表の体表観察デモ!
最後には代表による北辰会の臨床現場のデモを(刺鍼はせずに体表観察・考察のみ)。
皆さん見逃すまい!と釘付け!?笑
フェザータッチについても「こんなに軽く触っているだけなのに?」と驚かれている方もいらっしゃいました!
私自身、コロナ禍に入って以降、北辰会以外の外部の講演会に参加する機会がありませんでしたので、
久々の感覚に終始ワクワクしっぱなしでした!!
こうしたことから鍼灸にご興味を持ってくださる医師、湯液家の先生が増えれば良いな、と感じました(*´∀`*)
北辰会の定例会は昨年より実技がメインとなっております。
座学については今年度からVimeoによる配信とツイキャスによるライブ配信でオンライン受講となっておりますが、
コロナ禍も落ち着いたのもあるので…こうした外部の講演にも足を運んでみてはいかがでしょうか?
新しい発見や、学びというものがきっとあるはずです!
私も積極的に参加していきたいと思います♪
今回、素敵な企画をしてくださった奈良県部会の先生方、ありがとうございました!!