こんにちは!
12月15日(日)、東京・大森にある東京衛生学園専門学校において関東部会 年末代表講演が開催されました!
今回のテーマは「経穴輯要〜少数穴治療からの視座〜」です。
全国各地から多くの方が集まり、今年も気合いのこもった1日となりました!
目次
経穴学の変遷・発展史
午前は、尾崎真哉副代表による「経穴学の変遷・発展史」です。
経穴学について中国での起源・変遷・発展から、日本での受容と発展について解説してくださいました。
穴性については皆さんよく勉強されていると思いますが、歴史や発展については自分で勉強するにはどうしたらいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。
この講義では、各時代の経穴に対する考え方や各時代を代表する経穴書・鍼灸臨床書の紹介と解説を交えながら、90分という限られた時間の中で受講者たちの興味をそそる講義内容でした。
日常に戻ってからも今回の膨大な情報が詰め込まれた貴重な講義資料を参考に、経穴学に対する理解を深めていきましょう!
超重要経穴解説
午後の初めは、竹下有学術副部長による「超重要経穴解説」です。
過去のeラーニング講義と特別講義で行われた
- 奇経八脈、八脈交会八穴
- 十五絡(絡脈)
- 四海、大絡、気街、奇恒之腑
- 十二経筋、十二経別
- 十二皮部、衛気
の復習も交えながら解説してくださりました。
今回の講義の一番の目玉は、十二経筋、十二経別、四海の超重要経穴の解説です!
十二経筋・・・陽陵泉、賁(鳩尾・巨闕)
十二経別・・・髀関、委中
四海・・・大杼、下廉
北辰会であまりフォーカスされてこなかった経穴について、竹下先生の解釈も含めた(皆さんこれが一番聞きたいのでは?)貴重な解説内容でした!
例えば、「四海」の治療応用に関して、高さ・深さにおける気の偏在を、奇経とは違った切り口で調整できるのでは?という解説もありました。
『超重要経穴解説』竹下有【著】の出版、お待ちしております<(_ _)>
出版といえば、、、
新刊お知らせ
代表講演が始まる前に、会員の富里雄太さんから新刊のお知らせがありました!
藤本新風代表と富里雄太さんの共著で『学校では教えてくれない 鍼灸医学の3つの思考』というタイトルです!
富里さんは現在、専門学校の3年生ですが、非常に優秀で将来有望な学生の会員さんです!
💡富里さんからのおすすめポイント💡
・多面的観察、弁証論治、少数穴治療を踏まえた北辰会方式の全体像を掴める
・真の医学としての鍼灸を実践するための具体的な方法論を知ることができる
・対話形式で初学者にも分かりやすい
・鍼灸医学に対する考え方や姿勢、マインドセットが学べる
学生だけでなく臨床家にとっても必読の一冊となっています!
たにぐち書店から来年3月に出版予定ですので、今後の続報をお待ちください!
経穴の観取と知見
続いて、藤本新風代表による「経穴の観取と知見」です!
講義の内容
- 経穴診のおさらい
- 経穴とは?あれこれ
- 鍼刺の実際
- 観取の工夫
代表からの講義解説を聞いた上で、
- 「合谷1穴に集中して」左右差を確認し、反応がある側の「1点」を見つけて「按圧」する
- 労宮あるいは、示指・中指の腹側でそうっと合谷に触れる
- 「全体観」を維持しながら、合谷をタップして、手陽明大腸経の応動を診る
経穴の観取の工夫として、実際に隣の方の合谷を観察・取穴するプチ実技タイムもありました!
皆さんやはり実技が大好きなようで、とても盛り上がっていました!
藤本新風代表 実技披露
最後は、藤本新風代表の実技披露です!
今回の患者さんの主訴はこちらです。
- 右腰方形筋の硬結
- 左肩~左首の痛み
- 右手首痛
代表の問診~体表観察~刺鍼という流れです。
今回は滑肉門への刺鍼でした。
治療直後は、痛みは不変でしたが腰の動きが改善していました。
講義が押した関係で実技時間が減ってしまいましたが、僅かな時間でも体表所見が改善していることを確認できました!
置鍼中に、刺鍼した上からタオルをかけて大丈夫なのか?という学生さんからの質問がありました。
今回は横刺なので上からタオルをかけても鍼が内臓に刺さる危険はない、ということを代表と坂井先生が丁寧に説明していました。
学生からの質問ということもあり、とても初歩的な質問だと思う先生もいるかもしれませんが、代表講演が学生でも質問ができるような良い空間である証ではないでしょうか。
懇親会
代表講演の後は、毎年恒例の懇親会です!
会員・非会員、鍼灸師・医師・学生みんなで楽しく盛り上がりました!
これで2024年の北辰会のイベントは終了です!
今年の代表講演は満員御礼となりました!
ここでしか聞けない貴重な講義内容が盛り沢山なので、他の鍼灸師とはレベルの違う臨床を行うためのヒントがたくさん得られます!
まだ代表講演に参加されたことがない会員の先生がいましたら、来年はぜひ参加していただきたいと思います!