関東支部年末代表講演! 夢分流の腹診と打鍼を徹底して学んだ1日

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早いもので今年もあと少しとなりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

先日12月16日(日)には、関東支部年末代表講演が東京・大森にて開催されました!

新風先生が代表になられて初めての支部での代表講演でした☆

なんと、講演申込者が125名!懇親会参加者数は過去最高の60名(ノ・ω・)ノオオオォォォ-

年々人数が増えております!

内容も腹診と打鍼の歴史・重要点・実技と盛りだくさんの1日でしたよ(^^)/

目次

腹診・打鍼の歴史

腹診・打鍼の歴史について講義してくださったのは尾崎真哉支部長です!

夢分流と北辰会方式

北辰会方式では、腹部の診察診断に夢分流の腹診術を採用しています。

夢分流腹診術は安土桃山時代に禅僧である夢分斎が考案し、その秘伝書とされる『鍼道秘訣集』が伝承されており、その流れを更に発展させて現代に蘇らせたのが藤本蓮風会長であり、蓮風打鍼術®︎として実際に臨床応用しています。

詳しくは『弁釈鍼道秘訣集』をご参照下さい!

尾崎先生は講義の中で

「古典は死んだ書物ではない。」

「現代人への鍼灸臨床に適合しなければ、本来の伝統ではない。」

と力強く仰っていたのがとても印象的でした。

 

ではこの夢分流に至るまでの日本や中国における腹診の歴史というのはどんな流れだったのか?

また夢分流が誕生してからどのような流れで現在の北辰会方式に伝承されてきたのか?

というところを尾崎先生は詳細に楽しくお話しして下さいました。

腹診・打鍼の歴史

もともと中国では女性のお腹をさわるのはタブー視されるなど、腹診の専門書が中国で成書化されてこなかった背景があります。

その一方日本では、医療技術としての按腹の存在があったり、禅思想の影響下、禅僧の按腹術と僧医の医学知識が重なったり、誤診回避のため多面的観察の1つとして重視されたりと、日本で腹診が発達する理由がありました。

 

そして安土桃山時代に腹診術が本格化し、夢分流が誕生しました。

また夢分斎からは夢分流だけではなく無分流や御園流、森流、駿河流、朝山流、法印流など後世に伝わる流派があり、夢分流・無分流の影響下にある代表的文献は『鍼道秘訣集』だけではなく、岩田利斎の『鍼灸要法指南』や岡本一抱の『鍼灸抜萃大成』、本郷正豊の『鍼灸重宝記』など多くあることが分かります。

 

今学んでいる北辰会方式の腹診・打鍼にまつわる歴史的展開や起源について学ぶ大切さも改めて感じ、もっと勉強を深めていこうと思いました( ..)φメモメモ

 

腹診・打鍼の重要点

腹診・打鍼の重要点について講義して下さったのは竹下有先生です!

 

竹下先生は腹診における重要点を8つ、打鍼における重要点を6つ挙げてそれぞれ分かりやすく面白く説明して下さいました(*’▽’)

 

腹診・打鍼の重要点

その中でも特に、

「基本を徹底的に踏まえること」

「多面的観察を常に心がけること」

「自分なりに気の去来を感得すること」

「自分の打鍼の効果に対する論理的分析をすること」

など初心者にとっても中級者にとっても大事なことを強調して下さいました。

 

講義の中には、藤本蓮風会長とのやり取りや奥村裕一学術部長の論文、堀内齊毉龍先生の学会発表、島内薫先生の本を借りたお話などもあり、北辰会の先生方の真剣な想いも感じるご講義でした(^^)/

最高と最低(今の自分)を知ること

そして機会を作って蓮風会長の打鍼を見に行く、受けに行くことは非常に大事だと強く仰っていました!

 

腹診を学ぶはじめは基本となる手順・型を学ぶこと。

邪もまずは腹壁の過緊張でよい、と。

次第に微細な発汗や、その発汗の性質、微細な冷えや熱感、腠理の傷みや乾燥、肌理の状況などにも幅広く気を配れるように、と初心者の方にも分かりやすく教えて下さいました。

 

体表観察で狭小な見方になってしまう理由や、少し学んでくると陥りやすいところなども簡潔に話して下さり、今は出来なくても必ず出来るようになると思えるようなご講義でした(*’▽’)

心持の大事

そして「夢分流は世の中に打鍼術を広めたかったわけではない。北辰会もそう。医療人における心持の大事の部分にこそ感動し伝えたい。」と仰っていたのが印象的でした。

 

 

腹診・打鍼の実技披露

腹診の実技指導、華麗な打鍼デモンストレーションをみせて下さいました藤本新風代表です(^^)/

 

新風代表は、分かりやすいようにまずお腹に臓腑配当の図を描き、そして2名の腹診指導、3名の実技デモを見せて下さいました。

 

では少し実技デモの内容を書きますと…(*’ω’*)

 

1人目

主訴は2週間前からの肩こり。

新風代表は問診をしながら全身を体表観察して、合谷に2番鍼で10分置鍼されました。

裏に肝腎の弱りがあるが、それを踏まえた上で風寒邪を払うと説明して下さいました。

 

2人目

主訴は胃のむかつき。

同じく問診・体表観察をして、左大巨に相曳の鍼をされました。

ねらいは下焦の湿熱の停滞を払うこと。

実際に胃のむかつきが良くなったことを実感されていました(*’▽’)

 

3人目

主訴は右風市あたりの夜中の痛み。

同じく問診・体表観察をして、右大巨に負曳の鍼をされました。

ねらいは腎をやぶらないように瘀血を浮かせてとること。

実際に鍼をしてる途中から体の変化を感じられたそうです。

 

分かりやすい解説とともに打鍼・毫鍼による体の変化を目の当たりにして、本当にすごかったですΣ(・ω・ノ)ノ!

新風代表は、

勉強することはたくさんあるけど「理解できないことはない」ということ、

また「認識できた範囲によって打鍼の効き方が決まる」ということを仰っていたのが印象的でした。

勉強を深め認識できる範囲を広げて打鍼がもっと効くように、毎日必ずやって日々精進していきたいと思います٩( ’ω’)و

 

懇親会

講義終了後は懇親会へ☆

乾杯!

今年も北辰会会員のみならず、積聚会や経絡治療学会、東方会の各鍼灸団体の先生方や聴講の方々も大勢参加して下さいました(*’▽’)

クイズ大会もあり、様々な先生方との交流もあり、大盛況でした(^^♪

 

冬季研修会(順雪会)で打鍼を学ぶ

そして今度は自分の技術をトレーニングする番٩( ’ω’)و

来たる2月10日(日)11日(月祝)には、冬季研修会があります。

打鍼を2日間徹底して学びます!

そして今回の冬季研修会では、藤本蓮風会長から「なぜ北辰会をつくったのか」という設立の想いも伺うことができます!

今回の打鍼の講義を聴かれた方はもちろん、聴かれていない方もぜひご参加くださいませ(^o^)

北辰会の会員でなくてもご参加いただけます!

申込は12月31日まで!

皆さまのご参加をお待ちしております\(^o^)/

 

冬季研修会のご案内

https://hokushinkai.info/info/2019/02/jst2018.pdf

申込フォーム

https://hokushinkai.info/mailform/mf_junsetsu.html

前回(2018年2月)の参加者レポート

第20回冬季研修会に参加して

非会員だった私が北辰会の宿泊型冬季研修会に参加して想ったこと&来年度のお知らせ☆

 

また、夏季研修会でも、打鍼を丸一日かけて学ぶチャンスがあります!来年も開催予定ですので、こちらも要チェックですよ〜

過去の夏季研修会ブログ一覧はこちら

 

最後に。

今年も一年ありがとうございました!

2019年も北辰会ブログをどうぞよろしくお願い致します。

皆さま、良いお年をお迎えください\(^o^)/

 

以上、ブログ課支部スタッフ小倉でした(*’ω’*)

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