会長挨拶GREETING
経歴昭和18年10月300年以上続く歴代鍼灸・漢方の家の嫡子として生まれ,14代目を継承する。 昭和40年4月卒後、大阪府堺市にて独立開業(21歳) 昭和43年大阪市立大学,医学部解剖学教室助教授藤原知博士に学問的薫陶を受けるとともに,東洋医学の研究会「大阪経絡学説研究会」の代表幹事となる。 昭和53年~61年開業するかたわら母校関西鍼灸柔整専門学校の講師となる。 昭和54年北辰会を設立。同会代表として開業以来、延べ65万人以上の患者を治療。 平成30年7月一般社団法人北辰会会長に就任 |
ご挨拶
一般社団法人北辰会は、東洋古医学の論理と手法を使った鍼灸医学の研究会である。
黄帝内経『素問』『霊枢』の時代から受け継がれる真実を、臨床を通して確認し、会長藤本蓮風の独自の理論をその上に発展させ、会員の臨床追試によってそれを確固たるものにしている。
北辰会の治療方針はその理論的基礎を新中国の鍼灸医学、中医学においている。
古くからの伝統を継承し、なおかつ現代的な明快な感覚の理論で構成されているからである。
更に中医学ばかりでなく、日本独自の古医学であるところの腹診術や腹部打鍼法なども治療に取り入れている。
また現代鍼灸によく見られるように、診断は西洋医学、治療は東洋医学というような「木に竹を接ぐ」ような不自然な事は、断固として否定している。
これは根本である哲学が異なるからであり、医学として診断と治療は一体不可分の物でなければならないとの信念によるものである。
但し北辰会は西洋医学を敵対する立場を取っているわけではない。
寧ろ真の医学を標榜する為に、互いに手を携えて進む姿勢を取っている事をここで明らかにしておく。
北辰会の治療手法は、著しくツボの数が少ないのが特徴である。
これは戦局において兵力集中の原則があるのと同様、ツボの数が多いと治癒力を分散させ、かえって治療効果を妨げるとの事実によるものである。
またこのような少数穴による治療法は、使われたツボの有効無効を明確にし、そこから診断→治療→評価→診断のやり直し→新しい治療というフィードバックを可能とし、同時にツボの持つ性質を明確に浮き彫りにする事を可能としている。
最後に北辰会には秘伝・秘法は存在しない。
あくまでこの素晴らしい医学の発展と病に苦しむ人の救済の為、全ての技術はオープンにしている。
一人でも多くの鍼灸医、薬剤師、鍼灸に興味を抱く医師の参加を心から願うものである。
代表挨拶 藤本新風
経歴1970年5月藤本蓮風の次男として出生 1991年大学中退、大阪鍼灸専門学校(森ノ宮医療学園入学) 北辰会入会 1994年卒業・資格取得と同時に大阪府和泉市にて開業 2005年扇町漢方クリニック設立に関わり、学術責任者として多くの鍼灸師の育成に携わる 2014年(一社)北辰会副代表に就任 会員育成に深く関わる 2018年(一社)北辰会代表理事に就任 |
ご挨拶
鍼灸医術は中国伝統医学が興って以来淘汰されることなく、明治維新までは湯液(漢方)とともに日本において正当な医療であり、多くの日本人の健康に寄与してきたという"evidence"がある。
「治ったのであれば、なぜ治ったのか」の理由を理解する、
「治らないのであれば、なぜ治らないのか」の事由を探求する、
「治らないのであれば、如何にすればよいのか」に思いを馳せ、「治せるよう」創意工夫する、
これらは、医療人として当然あるべき姿勢である。
明治以前、このようなさまざまな流派の「鍼灸医」が多くの病める方々を救ってきたからこそ、この医学は連綿と現在に伝わっている。
翻って、現代日本の鍼灸界はどういう状況であろうか。
とまれ、
「1本の鍼を通じて、どうすればより多くの患者さん、また、その周囲の方々のお役にたてるだろうか?」
このような思いで日々臨床を行っている。
一般社団法人北辰会では、臨床事実および学術研鑽を積むことで、さらなる鍼灸医術の高みを目指すのみならず、より多くの方々がより良い鍼灸医療を享受されるべく「一人でも多くの優秀な鍼灸“医”」の育成に注力している。
現代における「漢方医術の復興」のための捷径とならん、と信ずる。
いっそう多くの鍼灸家、医師の参画を期待するものである。